毒素感傷文

院生生活とか、読書の感想とかその他とか

2人産んだらお産のナラティブが完結した話

つい先日第二子となる子どもを出産した。 完璧な頭部 第一子を経て、お産というものは後に地獄の産褥期をもたらすものだと思っていた私に、第二子は思いがけないものをプレゼントしてくれた。そんな話。 第一子の妊娠と出産のエピソード 第一子の話に少し触…

そろそろ学位が欲しくなってきたんじゃないかい?

なんだこのふざけたタイトルは。 放送大の積み上げ単位で情報工学の学位を取れるらしいな? 昨日ひょんなことからこんな記事を読んでしまいました。 note.com 不肖ながらわたくし、放送大を編入・卒業し、修士課程も修了し、ついでに学位授与機構で看護の学…

100冊読破7周目(91-100)

1.謎の独立国家ソマリランド(高野秀行) 謎の独立国家ソマリランド 作者:高野秀行 本の雑誌社 Amazon (1つ前の記事『もっと読みたい人のための~』とかぶっちゃったので同じ内容です) ソマリランドが意味するところがなんなのかは本編を読むと十二分にわ…

もっと読みたい人のためのおすすめ10選(601-700の中から)

1.謎の独立国家ソマリランド 謎の独立国家ソマリランド 作者:高野秀行 本の雑誌社 Amazon ※学術書ではありません。 でもオススメ10選の『世界屠畜紀行』や『漂流の島』と同じような位置付け。学者ではない人のレポート、調査に至る体験が生々しくてすごく面…

700冊読了記/100冊の中からオススメ10選(601-700の中から)

いつもの通り、10冊ごとの記録の抜粋をしております。後から書き足したいエピソードがあれば非引用で記載。ナンバリングはオススメ度合いではなく順不同です。 国外についての本色々 1.最悪の事故が起こるまで人は何をしていたのか(ジェームズ・チャイル…

修士出て良かったことと損していることみたいな解説

こんにちは。放送大学関連の記事を書くのはめちゃくちゃ久しぶりなのですが、卒後丸2年が経過して、そろそろ「お前2年もかけて修了したくせに今何やってんの?てか修士出る意味あったの?」みたいな心の中の外野の声が聞こえてきつつあります。ゆえに筆を執…

100冊読破 7周目(81-90)

1.ルポ 貧困大国アメリカ(堤未果) ルポ 貧困大国アメリカ (岩波新書 新赤版 1112) 作者:堤 未果 岩波書店 Amazon 結構昔の本なので、今どうなってんのかなとは思います。今も貧困エリアだと給食の内容がめちゃくちゃお粗末みたいなのは聞いたことあるんで…

才能のなさについて

ブログのネタを捻り出そうとしたら天からの声(フォロワーからのリプライ)が聞こえたので書く。 仕事のセンスがない話 特にお題を設けたわけでもないが、この春から私はまた臨床に戻った。臨床といっても病院勤務ではなく在宅…我々の臨床でいう「在宅」は在…

100冊読破 7周目(71-80)

1.踊る物理学者たち(ゲーリー・ズーカフ) 踊る物理学者たち 作者:ゲーリー ズーカフ 青土社 Amazon 「踊る」ってなんなんだ、と思っていたらdanceではなくてtaoの方だったみたいな話。 物理(学者)の歴史を紐解いていく本なので、学説が変わるときのエピ…

授乳。この摩訶不思議な営み

2週間ほど前、1歳6ヶ月にして息子の授乳(母乳育児)を終了した。とはいえ、純粋な栄養または水分としての母乳は、1歳を過ぎたころくらいからあまり必要ではなかったように思う。 以前電動搾乳機についてあまりにも熱すぎるレビューを書いたことがあることか…

映画感想『子宮に沈める』(2013年)

緒方貴臣監督2013年最新作『子宮に沈める』映画公式サイト 重い腰をあげて、何年ぶりかわからないが映画の感想を書く。 毎度のことながらどこまでがネタバレなのかよくわからないので、ネタバレを踏みたくない人は読まないでほしい。 ただ、ネタバレ、といっ…

100冊読破7周目(61-70)

1.FACTFULNESS(Hans Rosling, Ola Rosling) Factfulness: Ten Reasons We're Wrong About The World - And Why Things Are Better Than You Think (English Edition) 作者:Rosling, Hans,Rosling, Ola,Rosling Rönnlund, Anna Sceptre Amazon めちゃくちゃ…

幸福の内実に関して知らん: 社会人生活はちねんめ日記

とかなんとかいうタイトルつけておいて、ただのメンタル疾患もち看護師のらくらキャリア録。需要があるかどうかは知らん。 ちなみに元ネタはマルティン・ゼールの『幸福の形式に関する試論: 倫理学研究』です。 熱い風評被害ですみません、内容は関係ありま…

100冊読破7周目(51-60)

1.母親になって後悔してる(オルナ・ドーナト) 母親になって後悔してる 作者:オルナ・ドーナト 新潮社 Amazon streptococcus.hatenablog.com 他のブログ記事にも書きましたが、センセーショナルなタイトル(とそれについて回る複雑な書評)に釣られてほし…

2022(前後)本以外で買って良かったもの

自分はあまり物にこだわりのある方ではありません(と、思っています)。大体は自分の都合とメリットデメリットに合わせて商品を選ぶので、個人の(それも当該年度など区切られた期間の)レビューを参考にしたことがあまりなく、つまりこういった記事の意義…

母親になって後悔、してますか?

母親になって後悔、「していたとして」、「している」と言えるでしょうか? 母親になって後悔してる 作者:オルナ・ドーナト 新潮社 Amazon 本書、訳書が出版された時点で私は既に母親でした(出版が公表された時点で母親になることが確定していました)。ゆ…

100冊読破7周目(41-50)

1.慟哭のハイチ(佐藤文則―現代史と庶民の生活) 慟哭のハイチ―現代史と庶民の生活 作者:佐藤 文則 凱風社 Amazon 2007年に出版されているのでその後のハイチ沖の地震のことはもちろん触れられていません。この前読んだ『ルワンダ中央銀行総裁日記』の中で…

100冊読破7周目(31-40)

1.墜落遺体 御巣鷹山の日航機123便(飯塚訓) 新装版 墜落遺体 御巣鷹山の日航機123便 (講談社+α文庫) 作者:飯塚訓 講談社 Amazon 山崎豊子『沈まぬ太陽』を読んだことがないのにまた御巣鷹山の航空機事故の手記を読んでしまった(なぜなのか)。本…

何かがズレている育児日記

それ自体をタイトルにする意味ある?(もう少しまともなタイトル書けよ) 産後の話(仕事など) 産後7ヶ月くらいから以前の仕事(非常勤なので週2日しかない)をやろうとしていたら、なんと3ヶ月の時点で声がかかった。 大学の補助業務なので肉体的な負荷は…

100冊読破7周目(21-30)

1.影響力の正体 説得のカラクリを心理学があばく(ロバート・チャルディーニ) 影響力の正体 説得のカラクリを心理学があばく 作者:ロバート・B・チャルディーニ SBクリエイティブ Amazon 社会に大きなインパクトを与えた『影響力の武器(1991)』の後継本…

特に理由のない不安について

根拠のない予期をすることがある。最近(ここ数年)頻繁なものだと、「外出先でトイレに入ると個室で人が倒れているというシミュレーションをする」というもの。 まったくわけがわからない、理屈なしに直感的に「それ」が起こるような気がするのだ。喫茶店で…

GRが壊れてGRを売ってGRを買った話

カメラの話なのに写真は一枚も出てきません。 この記事の要約: GRⅢxを買った。以上。 この記事の前提知識: GRシリーズはRICOHが出している、いわゆる「高級コンデジ」の一種である。 GRシリーズには特徴がある。 ①とても軽い(バッテリー込み300g未満) ②…

日記 / 君を乗せて

おもちゃのオルゴールが、ジブリの有名なあの曲を流してくる。たくさんの灯が懐かしいのは、そのどれかひとつに君がいるから。どれにもいるから困るんだよなあ。記憶の容量は限られているのに、絶対にすべてを覚えてはいられない。 いつか懐かしむなんてこと…

小さな空間について

1ヶ月前に出産をした。 最近、行政のサービスを利用して産後ケア施設にショートステイをした。1泊2日を3回の予定で、ひとまず初回が終わったところだ。 私には、世に言う不仲などというほどではないとはいえ、実の親との間に多少の緊張関係がある。この親に…

100冊読破7週目(11-20)

1.職業としての学問(マックス・ヴェーバー) 職業としての学問 (岩波文庫) 作者:マックス・ウェーバー,尾高 邦雄 岩波書店 Amazon 自己を滅して専心すべき仕事を、逆になにか自分の名を売る手段のように考え、自分がどんな人間であるかを「体験」で示してや…

【最終回まとめ】放送大学大学院修士全科生生活Vol.12

口頭試問が終わりました(お疲れ様でした)。 試問が終わったことに関して特に何か改めて書くことがあるわけではないのですが、たまに人から訊かれることのあった就労と院生生活のバランスについて2年間のまとめを書いておこうと思います。 私はM0(大学院入…

人間を作るということ3: メンタル崩壊

喉元過ぎれば熱さを忘れるとはよくいったもので、今や激しい苦しさは忘れつつあります。しかし、今も不妊治療を続けておられる方の書き込みや胎児・乳児を亡くされた方のブログなどを読むと容易に涙が出ますし、コウノドリのようなエピソードを読んでもやは…

人間を作るということ2: 仕事・院生生活とのバランスについて

前回は「そもそも不妊治療とはなんぞや」ということについて書いていたので、今回は実際に私がとったバランスとスケジュール調整を備忘録がてら書いて行こうと思います。前回と違ってあまり誰のためでもありませんが、後から振り返って書いてみると大学院生…

人間を作るということ: 不妊治療(高度生殖医療)について

年末に書く記事ではないような気がするがそんなことは一切気にしない。 というわけで、年末の締めくくりとして(???)1年半ほど続けた不妊治療について記録がてら書いていこうと思います。我ながら綺麗に治療をステップアップしたケースだと思っているの…

放送大学大学院修士全科生生活Vol.11

そろそろ終わりが近づいている!!! 修論提出しました 前回から今回までにあったこと、なんか色々ありましたね忘れました 忘れている場合ではない。 外部の研究会での発表 11月の頭くらいに終わりました。後述しますが学会発表がオンデマンドになったお陰で…