毒素感傷文

院生生活とか、読書の感想とかその他とか

臨床・看護・ケア

修士出て良かったことと損していることみたいな解説

こんにちは。放送大学関連の記事を書くのはめちゃくちゃ久しぶりなのですが、卒後丸2年が経過して、そろそろ「お前2年もかけて修了したくせに今何やってんの?てか修士出る意味あったの?」みたいな心の中の外野の声が聞こえてきつつあります。ゆえに筆を執…

才能のなさについて

ブログのネタを捻り出そうとしたら天からの声(フォロワーからのリプライ)が聞こえたので書く。 仕事のセンスがない話 特にお題を設けたわけでもないが、この春から私はまた臨床に戻った。臨床といっても病院勤務ではなく在宅…我々の臨床でいう「在宅」は在…

幸福の内実に関して知らん: 社会人生活はちねんめ日記

とかなんとかいうタイトルつけておいて、ただのメンタル疾患もち看護師のらくらキャリア録。需要があるかどうかは知らん。 ちなみに元ネタはマルティン・ゼールの『幸福の形式に関する試論: 倫理学研究』です。 熱い風評被害ですみません、内容は関係ありま…

トラウマケア研究会参加記録

とある研究会への参加体験記を書いていこうと思います。 主催の方にお声かけいただきまして、2021年2月~5月、全7回(欠席した回もありますが)に参加しました。備忘録としての記事です。 課題図書について 本書に取り組みにあたっての自分の姿勢についです…

放送大学大学院修士全科生生活Vol.2

こんにちは。1か月に1つ記事って多すぎちゃうんかと思うんですが、今回は進捗報告というより、自分の今の研究生活と展望についての日記を書いていきます。Twitterで放送大の大学院全科履修志望者をちらほら見かけるので、需要があるのではないかという勝手…

放送大学で認定心理士と学士(看護)を取得する

認定心理士・看護の学位審査の申請を終えました。後者は書類郵送時期が指定されているので実はまだなのですが、手続きが面倒な部分は大体すべて終えたので記事を書いておこうと思います。 以下は看護学校(3年制専門学校、93単位2550時間以上の授業・実習時…

任意団体Nursing academia における性暴力被害についての個人的見解

ここ数日で、ある任意団体での性暴力があったことが明らかになりました。 自分はこれまでこの事態を静観してきましたが、高等教育機関に身を置こうとしながらこの問題についてこれ以上沈黙をすることは難しいと感じ、記事を書くことにしました。 看護・保健…

放送大学大学院の受験について:プロセスと結果

放送大学大学院・文化科学研究科文化科学専攻(生活健康科学プログラム)に合格しました。 ただ大学院に入るだけであればブログを書く必要はなかったのですが、放送大はあんまり情報がありません。研究室訪問もできないので、事前情報を得られる機会もなく、…

向いていない(と思う)仕事をすること -ある看護師の一例

壮大な自己満足にお付き合いいただきたい。 私は看護師である。 先日、4年間務めた病院を退職した。体力的な限界も精神的な限界も、仕事の楽しさも苦しさも感じながら。家庭の事情があり、遠からず今の職場を辞する時期がくることは明白だったので、あとは自…

死について: 死と関わることはそれまでの生と関わるということである

一人称の死、二人称の死、三人称の死について。 過去のツイートなどを引用、一部改変したため少し考えが拙い(専門職者として適切なグリーフケアができていない・倫理的議論が未熟である)などの問題はありますが、ここでは個人として、少し考えをまとめてお…

社会人生活記 -さんねんめ編

3月が終われば、社会人生活もまる3年が終わったことになる。勿論次からは4年目で、随分「後輩」にあたる人が増えてきた。ちなみに「年上の後輩」というのはいない。正確には、いたのだが、みなドロップアウトしていった。闇である。 去年の記事はこちら。入…

万物は流転する -3年目にっき

とうとう社会人3年目に乗り出した。いや別にふつうに過ごしていればなんら不思議のないことであってどうにも腑に落ちないが、皆様いかがお過ごしでしょうか。私は相変わらず激務です。いやしらんけど。 年度が終わるごとに書いている日記と、はじまってから…

社会人生活記 -にねんめ編

臨床で働きだして2年目が終わろうとしている。 正直、2年前の春は気分はどん底・お先まっくらの状態で(仲良しだった恋人と破局したところだったのだ)、じぶんはこのさきいったいどうやって生きていくのかと絶望している状況だったしひとりで生きていく自…

未完成の構造と営為―臨床の知覚から

100冊読破を進めるうち、自分が結構なキャパシティを『知覚(あるいは認知)』、と都市論・建築デザインに割いているのだなあと思ったのでここらで一考まとめておきたいなと思います。なぜ看護師である自分が建築や公共性のデザインに興味をもったか、それは…

構造をほどいていく-緩和ケアについてのあれこれ

良い本でした。 最早なんのきっかけで見つけて、読もうと思ったのかわかりませんが。 死すべき定め――死にゆく人に何ができるか 作者: アトゥール・ガワンデ 出版社/メーカー: みすず書房 発売日: 2016/07/01 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る …

気が付けば1年半 -18か月振り返り

ここ半年はロクなことがなかった。大変に忙しかったです。 その忙しさの中にもやっぱりあれこれ考えていたので、その過程について書いておこうと思います。 自分が新人のときはどうだったのだろうと新人を見て考える どうだったのでしょう? 今年の新人を見…

私たちにとっての、象徴としての『がん』について

病の皇帝「がん」に挑む ― 人類4000年の苦闘 上 作者: シッダールタ・ムカジー,田中文 出版社/メーカー: 早川書房 発売日: 2013/08/23 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (14件) を見る 病の皇帝「がん」に挑む ― 人類4000年の苦闘 下 作者: シッダール…

意図を編む

私たちの業界の教育に関するお話し。 縦軸と横軸に関すること 実習による縦軸の教育 働き始めると、実習生がくる。 実習生がくると、1年目だった自分たちよりも時折ずっと深く本人の情報を得ることができ、また本人に必要な計画を綿密に練る時間があること…

わたしが医師でも薬剤師でもなく看護師だったのは単なる偶然からである

タイトルの通りの日記をちょいと書いておく。 私の経歴、というかこの職を選ぶに至った理由はバックナンバーにあるから、それを参照していただきたい。 結構適当な理由だし、けれど深刻に悩みもしつつ慎重に足を踏み入れた。 そして勉学するなかでよく言われ…

社会人生活記 -いちねんめ編

社会人になってもうすぐ1年経つので、記録しておこうかなと思う。 社会人1年目というカテゴリにおいて 正直、1年もつと思わなかった。どうせつらくなって退職というか休職に追い込まれるのではないかと思っていた。事実、同期は休職のうえ年度末で退職と…

なぜ、看護なのか。

我々はどこからきて、何者なのか、どこへいくのか。 1)やむをえず。 看護学校にきてしまったのは、やむをえずだった。 ①うつだったから 高校生のとき、うつになってしまった。一応診断名をもらったりもしたけれど、まあ、あまり意味のないものかなあと思っ…

看護教育について思うことメモ

秋になる前くらいから黙々と考えていたことについて、ある程度のまとまりを見せるようになったので言葉にして落っことしておこうと思います。酔っぱらってます。すみません。 ▼看護師と看護学生の違いについて 看護師になって半年以上が経ちました。日常業務…

おしごとこわい

仕事していて今まで考えてきたことで、具体的でないためにいまいちまとめてこれなかったものを大別して。 何せ仕事そのものへの考えとかではないから、吐き出す先がない。 1)能力の分配と集団のパフォーマンスの向上について 2)何故看護理論とか哲学書を…

身体感覚についてのこと

こんな本に手を出すほどには、身体感覚について日々考えている。 皮膚・自我 作者: ディディエアンジュー,Didier Anzieu,福田素子 出版社/メーカー: 言叢社 発売日: 1996/04 メディア: 単行本 購入: 1人 クリック: 9回 この商品を含むブログ (5件) を見る ①…

お経を聴いていると涙が出てくる

夜勤明けで趣味の寺社仏閣巡りをしてきた。ただ巡るだけでなく、写真を撮るという名目付きで。 pic.twitter.com/I9zQ3LUkgF— そうら退職し太郎 (@streptocoooccus) 2015年6月5日 ▼ よく寺に行くのは、古い建造物が好きなのと、植物との色合いが美しいからだ…

看護と看護学校についてあれこれを書きなぐる

暇だったんで知恵袋を延々と巡回してみたりして思ったんですけど、そして昔から思っていることなんですけど、ここ最近看護を取り巻く環境は劇的に変化しているのだなぁと思わざるを得ません。もちろん他の業界にもあることなのかも知れないけれど、私は看護…

矛盾論

新体系の看護理論 看護学矛盾論−unification− 第2版作者: 三瓶眞貴子出版社/メーカー: 金芳堂発売日: 2012/03/20メディア: 単行本この商品を含むブログを見る 先日梅田に行った際に『看護学矛盾論』という本を買いまして それほど看護の本が欲しかったわけで…