毒素感傷文

院生生活とか、読書の感想とかその他とか

2017-01-01から1年間の記事一覧

成熟と未成熟と、愚者であることについて

まとまった文章を書きたくなったのでこちらに。 さいきん、人のことを『成熟しているなあ』と思うことが増えた。この成熟と、未成熟とはなにかについて考えたい。 まず、実年齢はたいして関係ない。いい意味でも悪い意味でも、未成熟なところを残したまま生…

100冊読破 4周目(71-80)

1.哲学の密かな闘い(永井均) 哲学の密かな闘い 作者: 永井均 出版社/メーカー: ぷねうま舎 発売日: 2013/03/12 メディア: 単行本 クリック: 19回 この商品を含むブログ (6件) を見る 大衆誌に寄稿したものから、論文の内容を改変したものまで。最初は倫…

台湾旅行①

旅の日記を書く。旅といっても、ほぼ行って帰っただけなので(行ったところといえば故宮博物院と九份くらい)、旅程はいまさら書かなくてもいいと思う。ただ、国内で飛行機に乗るのも10年ぶりほどで、国外に出るのは生まれてはじめてという体験が純粋に面白…

100冊読破 4周目(61-70)

今回はシリーズものばかり読んでいたので、まとめて書いていこうかなあと思います。 ミネルヴァ書房「講座ケアー新たな人間-社会像に向けて」シリーズ全4冊 1冊目の、「ケアとは何だろうか」だけ読んでいません(すみません) 1.ケアとコミュニティ:福祉・地…

100冊読破 4周目(51-60)

1.ジンメル社会学を学ぶ人のために(早川洋行、菅野仁) ジンメル社会学を学ぶ人のために 作者: 早川洋行,菅野仁 出版社/メーカー: 世界思想社 発売日: 2008/10 メディア: 単行本 購入: 1人 クリック: 3回 この商品を含むブログ (4件) を見る ジンメルその…

放送大学1年目後期と1年目の授業全般について

とっている授業についての個人的なまとめ。授業名の右側に個人的な興味と授業の面白さ、お勧め度に関しての評価をいれています。あと統計はぐうの音もでない状態なのでまだ放置です。面接科目も面白かったのですが、地域や講師による差が大きいと思われるの…

個人的なもやもや:放送大学と文化的再生産とメリトクラシー

日記です。誰が何と言おうと。 昨日、放送大学の面接授業をひとつ受けてきました(心理学実験のうち認知心理学に属するもの)。それから、語学学校にいま通っています。勿論本業も変わらず続けています。 放送大学の姿勢・授業のチョイス(放送大学エキスパ…

100冊読破 4周目(41-50)

1.解明される意識(ダニエル・デネット) 解明される意識 作者: ダニエル・C.デネット,Daniel C. Dennett,山口泰司 出版社/メーカー: 青土社 発売日: 1997/12/01 メディア: 単行本 購入: 3人 クリック: 108回 この商品を含むブログ (39件) を見る 解明され…

100冊読破 4周目(31-40)

1.ヘーゲルと現代思想(寄川条路) ヘーゲルと現代思想 作者: 寄川条路 出版社/メーカー: 晃洋書房 発売日: 2017/05/01 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 短い本だったけど面白かった。哲学のことをなにも知らなくても、何冊か読めば必ずヘー…

100冊読破 4周目(21-30)

1.隷従への道ー全体主義と自由(フリードリヒ・ハイエク) 隷従への道―全体主義と自由 作者: フリードリヒ・A.ハイエク,Friedrich A. Hayek,一谷藤一郎,一谷映理子 出版社/メーカー: 東京創元社 発売日: 1992/07/19 メディア: 単行本 購入: 5人 クリック: …

読書についてーわたしの本の歩き方

100冊読破というチャレンジをはじめて1年半になりました。冊数を目標としているわけではないのですが、やはり始める前と後では随分思考の様式が多彩になったし、学問を面白いと感じられるようになったと思います(そういう本を選んで読んでいるからですが)…

下半期のことと最近考えていること

夏は本ばっかり読んでいました。詳しい数字は見ていないのでわかりませんが、試験が終わってからの2か月で30~40冊くらい。仕事はもちろんずっとしていますが、精神の夏休みでした。遊びに行ったりも少しできましたし。 下半期やること(やれそうなこと…

100冊読破 4周目(11-20)

1.人にやさしい医療の経済学 ―医療を市場メカニズムにゆだねてよいか(森宏一朗) 人にやさしい医療の経済学 ―医療を市場メカニズムにゆだねてよいか (現代選書24) 作者: 森宏一郎 出版社/メーカー: 信山社 発売日: 2013/12/26 メディア: 単行本(ソフトカ…

100冊読破 4周目(1-10)

1.京都の平熱―哲学者の都市案内(鷲田清一) 京都の平熱――哲学者の都市案内 (講談社学術文庫) 作者: 鷲田清一 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2013/04/11 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (13件) を見る 鷲田教授、京都の都市解説ときけば読まざる…

100冊読破 3周目(91-100)

1.ひとはなぜ服を着るのか(鷲田清一) ひとはなぜ服を着るのか (ちくま文庫) 作者: 鷲田清一 出版社/メーカー: 筑摩書房 発売日: 2012/10/01 メディア: 文庫 クリック: 2回 この商品を含むブログ (6件) を見る 相変わらず好きで一気に読みきりました。こ…

300冊読了記/100冊の中からオススメ・超絶コアなオススメそれぞれ9選(201-300の中から)

300冊読了記 前回200冊読了記から半年と半月、300冊目を読み終えることになりました。 前回との大きな違いといえば、臨床3年目を迎えるにあたって大学編入をして心理学を学び始めたことでしょうか。もっともそれらを学んだところで、わかっているとは到底い…

100冊読破 3周目(81-90)

1.法のデザイン—創造性とイノベーションは法によって加速する(水野祐) 法のデザイン?創造性とイノベーションは法によって加速する 作者: 水野祐 出版社/メーカー: フィルムアート社 発売日: 2017/02/24 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含む…

社会人大学生生活についての雑記

いやあ疲れました。試験全部終わりました。世に訊けば社会人大学生というものは大体1万人ちょいなのだそうです(放送大学調べ(※1)だったかしら)。思ったより少ないですね。少ないのかな。院生は含まないので学生全体としてはもっと多いと思いますが、と…

100冊読破 3周目(71-80)

1.僕たちが何者でもなかった頃の話をしよう 僕たちが何者でもなかった頃の話をしよう (文春新書) 作者: 山中伸弥,羽生善治,是枝裕和,山極壽一,永田和宏 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2017/02/24 メディア: Kindle版 この商品を含むブログ (1件) を見…

100冊読破 3周目(61-70)

1.<ひと>の現象学(鷲田清一) <ひと>の現象学 作者: 鷲田清一 出版社/メーカー: 筑摩書房 発売日: 2013/03/21 メディア: 単行本 クリック: 1回 この商品を含むブログ (8件) を見る みなが貧しかった時代には、家族や地域に、柳田國男のいう「共同防貧」の…

ハッチの組織論を読む

組織論については結構いろんな本を通して考えてきたような気がするけれども、この本がいちばんいろんな角度から検討されていてなおかつ実用的であったと思います。ほとんど教科書みたいな本なので(というか教科書なのでしょう)、読みたいところだけ読んで…

100冊読破 3周目(51-60)

1.現代社会の存立構造(真木悠介) 現代社会の存立構造 作者: 真木悠介 出版社/メーカー: 筑摩書房 発売日: 1977/03 メディア: 単行本 クリック: 3回 この商品を含むブログ (7件) を見る 2014年に、この本を解読する本が発刊されているようである。社会学…

100冊読破 3周目(41-50)

1.ハイエクの政治思想―市場秩序にひそむ人間の苦境(山中優) ハイエクの政治思想―市場秩序にひそむ人間の苦境 作者: 山中優 出版社/メーカー: 勁草書房 発売日: 2007/03/09 メディア: 単行本 クリック: 15回 この商品を含むブログ (18件) を見る 『市場原…

放送大学の通信指導(中間考査...のようなもの)を提出する

えーと提出してから気づいたのですがわたくし大きな盲点がございました。 これ、1問でも正解していれば合格なのだそうです・・・。 在学してるんやから知っておけや!という話ですが、仕事があまりにも忙しくてほとんど授業は聴けないほどなので、そもそも…

万物は流転する -3年目にっき

とうとう社会人3年目に乗り出した。いや別にふつうに過ごしていればなんら不思議のないことであってどうにも腑に落ちないが、皆様いかがお過ごしでしょうか。私は相変わらず激務です。いやしらんけど。 年度が終わるごとに書いている日記と、はじまってから…

夜は短し歩けよ乙女

「あ、これはいい」というのは、森見登美彦の『四畳半神話体系』がアニメになったときから思っていました。あの空間に関する絶妙な感覚は映画では絶対にできないし、テンポ感も小説そのままだったから。今回観に行く機会があったのをとても嬉しく思います。 …

100冊読破 3周目(31-40)

1.日本のメリトクラシー 増補版: 構造と心性(竹内洋) 日本のメリトクラシー 増補版: 構造と心性 作者: 竹内洋 出版社/メーカー: 東京大学出版会 発売日: 2016/12/24 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 日本の学歴社会についての構造の解析。…

100冊読破 3周目(21-30)

1.差異と欲望―ブルデュー『ディスタンクシオン』を読む(石井洋二郎) 差異と欲望―ブルデュー『ディスタンクシオン』を読む 作者: 石井洋二郎 出版社/メーカー: 藤原書店 発売日: 1993/11 メディア: 単行本 購入: 5人 クリック: 36回 この商品を含むブログ…

読書について―1年間の読了記

年度が終わる、まだ本を読んでいる。 1年のおわりに この1年間で読んだ本が200冊を超えた。226冊。厳密にいうなら、あと2-3日ほどの間にもう2冊くらい読む気がするのだけれど、まあ誤差の範囲内ということでかまわないだろう。専門書や雑誌を除いてこの数…

映画感想『ネオン・デーモン』『ロブスター』

ネオン・デーモン 映画『ネオン・デーモン』予告編 監督とか役者とか演出が誰かとかわたくしあんまり覚えることができないですしネタバレも勿論しません。なんというかアングラカルチャー系の映画ですが、好きでした。60席しかない映画館の、10席くらいしか…