毒素感傷文

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もっと気になる人のためのおすすめ10選(501-600の中から)

前回の100冊読破の完了時には「もっと気になる人のための~」を書かなかったようです。おすすめできるものがあまりなかったのか。

というわけで書き方を若干忘れてしまったのですが、10冊をご紹介して参りたいと思います。

 

「脳と心の話」神経疾患・心理療法精神科医療・脳科学まで

1.音楽と脳科学:音楽の脳内過程の理解をめざして(ステファン・ケルシュ

脳の話です!認知心理学神経科学といったらよいでしょうか。難易度は高いですが、私の周りには興味のある人は多そうな内容です。聴覚をはじめ、神経科学に音楽がどう関わっているかをまとめた本です。「言語」の心理学は結構進んでいますが、音楽の統語構造であったり和声の進行に対する文化的(または先天的)特徴については検証が難しいだろうと個人的に思っていました。感想は当時のものをそのまま引用します。

博論の焼き直しなので、著者の研究のみならずその領域の研究成果をまとめており、本文を数行読むたびに参考文献が3つくらい出てきます(自分も全然追えてはいない)。著者は器楽・声楽で学位とったあとに認知心理領域の研究をしはじめたらしく、言語領域が音楽の分節や和音の理解にどのように関わっているかなど大変面白い切り口で研究が進められています。とくに音楽と心理学にまつわる書籍(ないし文献)を探すと大体音楽領域の人は曖昧(失礼)で神経科学領域の人は「音楽」のように複雑な事象までは取り扱わない(実験計画が複雑だし測定が難しいので結果得にくい)イメージがあるんだけど、そこをやりくりしています。

最初は外界の音の認知に関する話、つまり耳鼻科的な解剖の話からはじまって音韻の逸脱をどういう風に知覚してどこで処理しているかみたいな話をして、「音楽の統語論」の話に辿り着きます。和音とフレーズの双方に逸脱を感じる反応があり、フレーズの場合には和音のみとはまた別の規則があると。

余談ですがそのむかし自分は音楽療法に興味がありました。当時みた本は心理療法寄りで、ここまで神経系の観察とか実験の成果は出ていなかった(というよりまとまっていなかった)ので「なんか曖昧なんだな」と思っておりました。この本の内容が治療法として成果を出すに至るかはともかく、生理的機能はここまでわかったんだなあとなんだか感慨深いです。

①知覚に興味がある人(認知科学ないし哲学)、②音楽(の効能)に興味がある人(やっている人?)、が大分類かなと思います。しかしなんの知識もなしに読むのは無理な気も…(なんらかの関連分野の知識は欲しい)。

面白い話がいっぱい出てくるのでメモしておきたいところはいくらでもあったんですが、音楽の社会的機能の部分で「ASDの子どもでも音楽によるコミュニケーションは良好にできる」みたいな部分があったり(言及した文献までは読めていない)、認知症にも言及がありました。いま自分は認知症患者に関わる機会が多いので、音楽が好まれるのは素直に不思議だったんですが、音楽による刺激は言語とはまた違うところの情報処理であったり快の感情であったりと「意味」を伴わない部分が多く、失見当識が進んでもそれなりに楽しめるのかなとか思ったりしました。手元に欲しいですがこれもお高い書籍です…

 

2.アルツハイマー病の謎―認知症と老化の絡まり合い―(マーガレット・ロック)

前駆状態を含めると、国内の罹患者数が700万人に届こうかという認知症。その中の大部分を占めるアルツハイマー病について解き明かす本です。臨床的に(特に介護や看護の分野では)アルツハイマー病の原因や大規模な分析が直接重要になることはあまりありません。が、患者数の多さやメカニズムの複雑さから、今も日進月歩で研究が進んでいる分野でもあります。本書はそうした研究と研究史を追っていくもので、ある種『微生物の狩人』や『「病の皇帝」がんに挑む』と似たようなものがあるかもしれません。

個人的に、認知症に日々関わらない人にこそ、「恥」としての認知症よりも認知症そのものの不思議さを感じてほしいと思うことが多いです。「よくわからん、ぼけ老人なんてとんでもない」と思っている方にこそ是非手に取っていただきたいですね。

面白かったです、面白かったですがそこそこ難しかったです。医療の素人だとついていくのはそこそこ厳しいと思われます、というか自分もついていけない箇所がいくつもありました。遺伝子変異とか、あるとは聞くけど詳細については全然知らん、みたいな。

認知症全般に広くかかわる機会がありそうなので適当に検索して面白そうなものを借りてきたのですが、そういう意味では予想以上でした。

特にまだはっきりとした疾患のメカニズムも確定しておらず、定義が曖昧で論争のある疾患(症候群と呼ぶべきかもしれないと本書の中では言われていますが)です。治験や検査をすることの負担・意義について繰り返し述べており、それが認知症患者(またはMCIと呼ばれる前駆状態——これにも論争があります)自身のQOLにとって良いものといえそうかどうかなど、疫学的問題点以外にも社会問題としてとらえることができます。あと大規模コホートのやりにくさについても、なるほど確かにしっかり定義されていないものについて追跡するのは難しいんだなあと思いました。

それから、たびたび科学哲学の方法論と分析系の心の哲学にふれ、特に後者についてはアルヴァ・ノエのエナクティブアプローチを借用していました。個人的にセンスがいいなと感じたポイントです。疾患の定義やとらえ方について、科学の方法論が手探りであるとき、暫定の解(または個人が解釈するために有用な情報)としていまの哲学は十分に対応しうると思います。

 

3.逸脱と医療化ー悪から病へ(ピーター・コンラッド、W.シュナイダー)

たびたび人にお薦めしている本なのですが、最近気づきました。この本めっちゃ高い。というわけで図書館などで借りて読んで下さい。

精神疾患にまつわる暗い歴史は日本にも連綿と横たわっていますが、本書はアメリカを中心に、その時々の差別やそれに対する社会運動の対象として取り上げます。医療社会学とか医療人類学というジャンルに相当するかもしれません。

めっちゃ長いというか物理的に重い。重いけどこれは読む意味あったなあと深々と思います… 締めにいくにつれ、『医療』がもたらした無条件の正義という名の社会統制があるのはしみじみと感じます。そして診断名がつくことによりなんらかの逸脱を道徳的悪とされることから免れるというのも。それほど新しい本ではありませんが、ここに書かれているそれぞれの歴史、たとえば精神疾患・薬物依存・アルコール依存・小児の虐待と発達障害・同性愛・犯罪…におけるその定義と扱いの変遷は各論として興味を惹くものばかりです。社会運動が先行するものもあれば医療化が先行するものもあります。

現在でいえば保健行動全般とか、「反医療・治療・予防」の領域にこれが及んでいるのも感じます。自分自身は、医療に関するこの意識は目につく医療従事者より少ないと感じますが、むしろ「福祉化」に傾倒しているようです。医療の歴史において、『兆候(外から見える症状)』から『病因(内部の病理)』に焦点が変わったことによる個人の病いの外部化については、フーコー(未読なので概説に過ぎませんが)とかヴァイツゼッカー『病いと人』で読むことができます。T.S.エリオットもこの時期に相当するようです。精神疾患については、これも特殊な経緯を辿ったことから『狂気』というカテゴライズによってその歴史や社会的位置付けを知ることができます。各論としてそれぞれあるものを、それにまつわる社会運動や各国の比較(欧州と米中心ですが…)で振り返ることができるのはまことにお得だと思います。お得て。

 

4.トラウマによる解離からの回復: 断片化された「わたしたち」を癒す(ジェニーナ・フィッシャー)

まだ研究会の感想ブログを書けていませんが、先に軽く感想を書く機会が訪れてしまいました。本書は「新しい心理療法」として、トラウマに起因する解離性人格障害のみならず様々な気分障害にアプローチするものです。本書の中では、人間個人を「ひとつ」と見做さず、「いくつかのパーツ」の複合体である(個人がいくつかのパーツを持っている)という考え方で解決を試みます。研究会中では、これらは精神疾患と診断されているか否かに関わらず有効であり、日常生活上でも自己の理解や他者の理解に役立つという話が参加者の方々から聞かれました。自分もそう思っています。

誰にお薦め、といわれると悩みますが、「自分自身に問題を抱えている人」ならだれでもいいのではないかと思います。「脳の話」はもちろん出てくるのですが、包括的には「自我という存在の捉え方の話」「世界と関わるときの自分という存在の話」なので。知識がまったくなしだと厳しいような気もしますが、精神科医療に少しでも興味がある方ならば(気合で)読み進められると思っています。

実は、自分はこの本を読むにあたって乗り気ではありませんでした。もしかしたら、読み物として将来読むことはあるかもしれないが...といった程度です。それはなぜかというと「トラウマをケアすることについて知るのが怖い(不安)だから」「面倒くさいから」という結構特殊な感情からきていて、折角誘われたので取り組むことになり、最終的にはレジュメの作成などのそこそこ積極的な参加となりました。また別の記事に詳細を書けたらと思います。

 

 

差別と倫理

上のカテゴリでも精神科医療における差別の問題は取り上げられていますが、こちらはまた別のカテゴリに入れてみました。

5.いのちの初夜北条民雄

いのちの初夜

いのちの初夜

 

倫理関連の書籍・文献を渉猟しているときに、いくつかハンセン病患者のインタビューに触れて、この著者について思い出しました。自分にとっての記念すべき一作目となりました。

著者はハンセン氏病の当事者で、この作品は診断がおりてから入院した当初の生活について書かれたものです。小説を読むのが随分久しぶりなので、なんとコメントしてよいものか若干悩みますが、よい作品であったと思います。今までの日常からゆっくりと隔絶され、患者たちの日常について考え、見聞きするさまが克明に描かれています。

 

6.知識経済をジェンダー化する: 労働組織・規制・福祉国家(S.ウェルビー他)

日本・ドイツ・イギリス・アメリカにおける女性の経済・労働環境(女性といいつつ労働者に共通する事項は勿論多いです)と福祉制度についてまとまって書かれた本です。労働法規だけでなく政策とその結果、企業や市井のミクロな動向も事例としてピックアップされていて面白い本だと思います。

「知識経済」という言葉自体は以前からあったようなのですが寡聞にして自分は定義を知らず(要するにホワイトカラーのことかと思っていましたがもう少し踏み込んでいる)、この辺がいいとっかかりになっていました。「女性の就労率が高い」とかいうデータの裏にも、実は「IT系といいながら専門職じゃなくてコール対応してる」とかいう結果があったりして面白い(興味深い)。日本とドイツの福祉制度が似ているという話は別の教科書(放送大の『社会福祉の国際比較』?)読んだときにも書かれていたんだけども日本の福祉は企業の制度と折り合ってできているので、意外と米国とかでうまくいかなかった労働へのインセンティブがうまくいっていたりするらしい(実例紹介は1例)と。また、出産~育児のあいだにキャリアが途切れることのないようにというはからいで作られた「マミートラック」という選択もむしろ今は「見えない天井」の強化としてはたらいていたり、フレックス制度使ってみても上司と部下のコアタイムのずれがあるせいで人事に評価されないとかいう悲しい話もありました。ここまでくるとジェンダー関係なくないか?と思いますが、ジェンダーを入り口にして色々な社会的弱者とディーセントワークについて切り込んでいく感じです。それから業種別にみていったときの国際比較で、ケアワーカー(特に無資格でもできるタイプ)の労働が企業を通さずに個人間で融通されるっていうのが不思議でした。日本だと家事労働とか育児とか、「親族間・無償」か「企業媒体・有償」くらいしか選択肢がない気がします。これは「中の人」だからこそわかることなのかもしれませんが、なんらかの施設勤めのケアワーカーと個人宅訪問型のケアワーカーでは知識の共有の仕方や価値に若干の差があるらしくて、実感(というか「予感」?)はあったけど数字で差が出るもんなんだとわかるくだりがありました。

誰にお勧めというわけでもありませんが、社会学社会福祉、労働関連の制度に興味がある方には興味を持っていただけるのではないかと思います。学術書なのでそこそこ高額ですしボリュームもたいそうなのですが。新書でこういうものがあるといいですね…

 

7.入門・医療倫理Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ(赤林 朗・児玉 聡)

Ⅰ~Ⅲ全部出すの反則やろと怒られそうですが、Ⅲを出すならⅠも、いややっぱりⅡも......ということで芋づる式に出てきてしまいました。許してください(命乞い)

医療倫理はこの1年余りで随分と市民にとって身近なものになったと思います。個別のケースでいえば、人工呼吸器を他の人のために外すか否かという医療資源配分の問題であったり、公衆衛生レベルでいえばワクチンの接種による公益性と非接種という自己決定など、枚挙に暇がありません。

本書は「倫理について学びたい医療従事者に向けて書かれたもの」という前書きがありますが、医療従事者でなくとも読むことができると思います。倫理規範についての枠組みを学ぶにあたって、倫理そのものの教科書としても優れているといえるのではないでしょうか(大きく出すぎですか?そうですか)。

Ⅱ巻では安楽死問題における法制度上の取り扱いが詳しく書かれていて、医療従事者としては初めて知るところも多く大変興味深いです。作為の不作為とか。

昨今の問題と近いところである公衆衛生倫理についてはⅢ巻で取り扱われているのですが、各論があまり多くないのでⅠ巻に加えてグレッグ・ボグナー『誰の健康が優先されるのか: 医療資源の倫理学』などがおすすめです。当該書籍については万人向けのオススメ10選に入れましたのでそちらをご覧いただけましたら幸いです。

 

8.人種神話を解体する2 科学と社会の知(坂野徹・竹沢泰子)

人種神話を解体する2 科学と社会の知

人種神話を解体する2 科学と社会の知

  • 発売日: 2016/11/28
  • メディア: 単行本
 

社会学(特に貧困・厚生についての疫学)の教授と経済学(こちらも開発経済学等応用分野)の教授の共著です。集団における遺伝学的影響を環境と比較して考察していきますが、実に誠実な本でした。なぜか最近、ポピュラーサイエンス系の本で、差別を助長・肯定する(人種、ジェンダー、経済格差など)記述をしばしば見かけるような気がするのですが、そのような言説に真っ向から反論していきます。

特に個人的に面白いと感じたのは「遺伝」という現象を歴史的にどのように扱ってきたかとか、どのような分野で研究されてきたのかという話もきちんとしたうえで各論に入るところです(そういうプロジェクトの中で書かれた本なので当たり前といえばそうなのですが)。

遺伝の生物学的な知識は他の教科書などでも得られると思いますが、本書では歴史的背景や産業における取り扱い・生命倫理の問題など、人文系ならではの視点も入っているのがよいです。

 

分類できなかったその他の本

9.薬価の経済学(小黒和正 菅原琢磨他)

薬価の経済学 (日本経済新聞出版)

薬価の経済学 (日本経済新聞出版)

  • 発売日: 2018/07/26
  • メディア: Kindle
 

ある種の倫理の話にできるのですが、それはこの本の主題ではないので倫理ジャンルには入れませんでした。薬の価格が決まるメカニズム、薬品の流通の話など「現場の医療従事者」が知らない話を知れて面白いです。

倫理(特に医療倫理における功利主義)をやっていると必ず出てくるのがQALY(質調整生存年)とか費用便益分析といった言葉なのですが、この本では薬に関するQALYがクリアに書かれている箇所があります。非常に特徴的なものがC型肝炎の新薬(もう少し前になりましたが)で、数か月の投与で完全にC型肝炎ウイルスを除去することができるという優れものです。これまでにC型肝炎の治療薬は「完治」を期待できるものはなかったので、高い薬価(1日あたりの薬価が数万円です)に対して効用が非常に大きいことになります。C型肝炎がのちに肝硬変や肝がんを不可逆的に引き起こしていたことを考えると、便益があるということですね。同じことが自己免疫疾患(特に関節リウマチ)に対する生物製剤にもいえることで、これまでは副作用の多いステロイドに頼らざるを得なかった全身症状が生物製剤の投与により場合によりほぼ無症状のレベルまで寛解するというものです。喋りすぎたので以下は当時の記事の引用に託します。

お堅いばかりの本かと最初は勘ぐっていましたが、思ったよりずっと面白かったです。最初からコラムの話をするのも気が引けますが、ところどころに挟まれるコラムで話の全貌もわかりやすくなります。このコラムニストは元証券会社のアナリストらしく、なるほど行政批判も製薬・卸業も俯瞰できるわけです。報道も大手から専門誌まで均しく較べることができて臨床からも遠い、実にバランスのとれた観察者だと思いました。

製薬会社が定めた薬価が卸業者を通して医療機関へ売却される過程の価格の鬩ぎあいとかまったく知らない話でしたし、医療費にかかわる政策全般の詳説も最初の方でなされるので門外漢でもある程度ついていけると思います。

後発医薬品とか高額医薬品と高額医療費制度あたりはまあ大体知ってる話なんですけど、投与継続期間でいうと抗リウマチ薬が総額(患者数×投与期間×投与頻度×薬価)でいえば結構な上位にランクインすることがわかりました。自分は免疫内科勤務でしたので、生物製剤を打つスパンとその種類の豊富さ、適応の幅広さには正直びっくりすることが多かったです。まあ高いよな…わかる…バイオシミラーの話も出てきていましたね。

後発医薬品については、薬剤師による薬局での変更が処方箋からのオプトアウトによってなされていたものがオプトイン方式になって促進されたっていうの、好きです(ハードウェアの変更で意思決定を誘導するやつ)。創薬に関してはインセンティブが何%になれば有効にはたらくかみたいな試算もちゃんとされていることを知れました。いや面白いというか当たり前なんですけど、本当に新しく知る話ばっかりなので「よくできているなあ」という印象があります。

それから、業界の独占性・閉鎖性に関しても説明の章があります。医療系ベンチャーの話にについては、客観的に構造を一部しか見ていないのにそれでも渋いなあと感じることがままあります。産業構造に依存していそうというのと、広くは社会保険だの経済・福祉政策の構造に依存していそうという感じがあり、実際にそのようでした。

医療福祉のIT化はともかくとして地域社会の構造変換とかは正直(展望なので)あまり現実的ではなかったんですが、総合して勉強になる本でした。

10.エセー1(モンテーニュ

私も書いているうちに何か鋭いことを言ったかもしれない。(もちろん他人から見ればなまくらだが、私から見れば鋭いという意味だ。だがこんな謙遜はよそう。誰でもそんなことを力に応じて言うのだから。)だが、私はそれをすっかり見失って、何を言おうとしたのかわからなくなって、他の人が私よりも先にそれを見つけてくれたことがしばしばある。もし私がそういうたびに削字刀をふるうならば、すべてを抹殺してしまうだろう。偶然がいつかそこに真昼の日よりも明るい光を投げて、私にそれを明らかに示してくれることがあるだろう。そして私は自分の迷いに驚くことであろう。ーモンテーニュ『エセー』第十章 弁舌の遅速について

陰キャのブログ読んでるみたいでめっちゃ面白いです(侮辱)。

いえ、もちろん、当時の状況をふまえた教育の意義であったり哲学の本来のすがたであったりと様々なことが書かれていて大変面白いのですが、端々にモンテーニュ自身の自己批判が織り込まれているので常にセルフツッコミマシマシなのです。大変面白い...誰にオススメかというともちろん陰キャですよね.......(全方位攻撃)。

 

なかなかニッチなラインナップになりました、やや偏りがあることは認めます(許してください)。

次回の10冊でまた変な本を出せることを楽しみにしております。それではごきげんよう