毒素感傷文

院生生活とか、読書の感想とかその他とか

100冊読破6周目(51-60)

前回の記事から半年が経過してしまいました。

大学院入ってから教科書読んだり論文読んだりばっかりだったので、いわゆる「読書」というものになかなか取り組めずにおりました。随分昔に読んだ本の記憶を彼方から引っ張ってきて感想を書きます。

 

1.臨死介助をめぐる刑法上の諸問題(神山敏雄)

臨死介助をめぐる刑法上の諸問題

臨死介助をめぐる刑法上の諸問題

  • 作者:神山敏雄
  • 発売日: 2019/10/30
  • メディア: 単行本
 

安楽死(というより終末期における治療の差し控え)に関するドイツの判例と、それを根拠づける刑法解釈の本。医療倫理やるにあたって実際の判例がなんでそんなふうになるのかとかよくわからないことがたびたびあったので、参考になるかと思い手に取りました。結果的にかなりいい本に巡り合えたのではないかと思います。特に医療福祉の関連法規に関して、裁判になるような事例の元になる条文やその適用方法を知らないので勉強になりました。社会福祉の法的根拠とかはちらっとやったんですが。ドイツにおいても、生命維持装置の中止等に関して「不作為の作為」が成立するか否かみたいな問題があるようで、この辺は大体日本の現行法も同じか?と思ったんですが前提に自殺幇助の不処罰があるかどうかで違いそうです。トニー・ホープ『医療倫理』では積極的安楽死と消極的安楽死の倫理的境界はないものとして退けられていたのですが、刑法上は結構大きな差なのかなとも思います(というかそうなのでしょうけど)。功利主義の話をするときによく出てくるトロッコ問題でときどき出てくる答えとして、不作為による多数の殺害と作為による少数の殺害ではむしろ後者が忌避されるみたいな傾向はこういう背景があるなあとも思います。道徳的観念が先なのか立法が先なのかは卵と鶏の関係のような気がしますが、相互補強的な関係にありそうだなとも思います。自分の葛藤のベースになりそうなケーススタディが多くて楽しめました。

 

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放送大学2020年度前期授業評

異例尽くめだった2020年度前期が終わりました。

 

試験方式について

放送大は対面式の試験を実施せず、またWeb上での試験監督も行われなかったため、各自で試験規則を遵守するという非常に自由度の高い状態で試験が実施されました。恐らく背景には、通信機器に不慣れな学生や双方向の通信環境を確保できない学生が多くいることや試験手続きの煩雑さからトラブルが多発することが予想されていたことがあるかと思います。たしか5月には既に対面で試験を行わないことが決まっていて、後知恵ではありますが英断であったと思います。

 

授業について

放送大以外の一般大学の場合は授業も不慣れなWeb環境で、教員・学生共に大変な思いをなさっていたことが自分にも伝わっておりました。元々放送形式の授業を行っている大学としてはこれが一般の形式なのですが、確かに出席確認や双方向の形式の授業を行うのは難しいですね。

自分の場合はこれに加えて大学院の研究会が加わっており、教員とも他院生ともWeb上でしか顔を合わせないまま研究が進んでおります。

 

前置きが長くなってしまいましたが、今期の授業について一言感想を書いていきたいと思います。

 

学部科目

自然と環境コース

入門線型代数('19)(再試)—A〇

前期、Dで落としてしまったのでもう1回頑張りました。

頑張りました、が、相変わらずベクトル固有値の計算とか行列式とか未だによくわかっていません............それはわかっているとは言えないのでは...............。

教科書が悪いわけではまったくなく、単に自分が時間をかける余裕がなかったのと理解が遅すぎるのと理解力がなさすぎるだけです。教科書的に難易度はA~Cまで区分けされていて、基礎レベル(定義や原理の説明)から発展レベル(証明とか)です。

数学が苦手な人はCはパラ読みでもいいから、Aをしっかり理解してくれと前書きにあります。

また、上位科目として『線型代数学』があるので、より深い内容はこちらでできるのかと思われます。

自分はこの教科書だけではまったく中に入っていけず、いつもの『数学ガールの秘密ノート』(結城 浩 著, SBクリエイティブ)の手を借りました。

こっちと教科書を行きつ戻りつして漸く計算方法などなどを理解していった感じです...

 

情報コース

データの分析と知識発見('16)(再試)—A

既に同名の後継科目のある科目ですが、再試験だったので受けました。この科目だけはほんとなんで落としたのかいまだにわからない(愚かなだけでは)。

記述統計と推測統計、データと手法の扱い方が載っているので、他の統計科目と併せてとても良い教科書だと思っています。ただ内容が内容だけに教科書1冊では収まりきらない部分が多く、わからなければキーワードを手掛かりにネットで検索したり他の教科書と比較しながら学んだ方がわかりやすいのかなぁ、とも思います。放送授業をまったく聞かずに教科書で学んだからかも知れませんが...

プログラム言語はRを使っているので、言語にそもそも触れたことのない人はちょっと面食らうかもしれません。自分は個人的にちょっとだけ触っていたのでなんとなくで乗り切ってしまいました(よくない)。

 

記号論理学('14)—A〇

ずっっっっと取りたいと思っていた記号論理学、ようやく取れました。嬉しいです。今まで試験時間が様々な科目とかぶってとれずにいたのです...

教科書を書かれているのは数学サイドと哲学サイドの先生1名ずつです。2/3くらいは恐らく結構古典的なもので、タブローによる妥当性検証ができるようになるまで。残り1/3くらいが、それを部分的に自然言語にあてはめた場合にどんな記述になるかなというスタイルです。

 

大学院科目

生活健康科学

アカデミック・スキルズ('20)—A〇

修士の全科生しか取れないオンライン科目ですが、論文を書くにあたり、論文を読む/書くということに関する基本的な解説を受けられる科目です。各回ごとに小テストがあります。

レポート課題は研究ゼミごとに異なるとのことです。

授業内容はEnago Learnとかに近いものがあるかも知れません。

 

ヘルスリサーチの方法論('19)―A〇

学部科目では『心理学研究法』『社会調査の基礎』等が近い科目ですが、これを保健分野で解説したものです。別に学部科目でもよいのでは?と思いましたが言ってはいけないのかもしれない。

統計的な方法も勿論用いられますが、保健分野はナラティブ・アプローチと呼ばれる個別の物語性・特殊性に着目した記述的な参与観察研究があります。

保健分野に特化した方法論の教科書なので、回り道をしたくないのであれば大学院に進学された方がこの科目を取るのだろうなあと思いますが、確実に他の科目も取ったほうがいいであろうなとは思います。

 

精神医学特論('16)—A〇

大体専門学校で学んだことへの付け足しというかほぼママでした。

特にコメントはありませんが、教科書はわかりやすいですし、臨床心理プログラムに属される方のコメントで「過不足なく網羅されている」とのことでした。確かに臨床心理を知るにあたり医学的なものの見方は欠かせませんし、これまでに保健分野の知識がない場合にはかなりよい科目であったと思います。

 

福祉政策の課題('18)—A〇

個人的にとても好きな科目でした。保健医療福祉の政策にとても興味があったので優先して取りましたが、想像以上によい学びを得られたと思います。

通信指導・試験も共に充実した課題が提示されて自分としてはレポートを書いていて一番嬉しかった科目です。試験が記述問題だったので、A〇とれて嬉しいなあと素朴に喜んでおります。

 

人間発達科学

教育文化の社会学('17)—A〇

教育社会学に興味があったのでとりました。特にコメントが出てこないのですが(今までに関連文献はそこそこたくさん読んできたので...)、教育に関する近代の歴史について解説が多かったのはよかったです。学部の科目『教育社会学概論('19)』より発展的な科目なのかなあと思いましたが特にそんなこともなかったです(若干残念)。

 

臨床心理学

心理・教育統計法特論('15)—A〇

因子分析について詳しいのがよかったかなあと思います。

学部の『社会統計学入門(現在は'18)』『データの分析と知識発見(現在は'20)』と大体範囲が被ります。

 

社会経営科学

公共政策('17)—A

難しそうだなあと思いつつとってみてよかった科目です。歴史と経済の観点を含みつつ政策の各分野を学ぶ科目です。「政治学」というよりは「政策史」の側面が強いかもしれません。

 

公共哲学('17)—C

なぜかわかりませんが今回一番気に入らなかった科目でした。

気に入らないと書いたのはこの科目が役に立たないとか的外れだとか言うわけではまったくなく、教科書としてはバランスが取れていて優れたものであると感じられたからです。特にロールズノージックの比較、アーレント政治学などは突っ込んで書かれていて、復習以上に学ぶところがありました。

しかし見ての通り評定が低いのは通信指導も同じで、Cであるうえに「解答が的外れ」とのご指摘でした。自分が問題文の意図を読み違えただけともいえると思いますし論の構築や理解が甘かったのであろうとは思われますが、出題文の意図を把握しかねるのがこうも固定の仕方だとなんかカチンときます(傲慢)。他の記述問題で問題文に対する応答が悪くないことは確認しているので、私の理解が甘いか出題者の意図を読みかねているのか出題者自身が欲しい答えに対して問題文の設定を斜め上にしているのかとか思ったんですが自分は最後の選択肢だと(勝手に)思っています(どこまでも傲慢)

いやまあ妥当なところで、自分が斜めに読んだだけなのでしょうけれども。公共哲学は自分が好きな分野のひとつなので、こうも読み違えたとなるとどこでやり直すべきなのかと考え込んでしまいます。(放送授業聴いてないのが悪いんじゃんとか言ってはいけない...)

何度も申しますが教科書はまったく悪くありません!!良書であると思います。

 

社会的協力論('20)—A

今回とった中では結構トリッキーに思う科目でした。社会協力、企業活動のみならずNPONGO、地域の自治組織の活動などの類型を解説・評価していきます。

ちなみに自分はこの教科書の先生のお話を実際に聞く機会がございました。それは院試の説明会だったのですが、話長いけど熱意がよく伝わってくる先生でした。話長いけど(2回も言うな)

 

都市社会構造論('18)—A

『都市と地域の社会学('18)』という学部の科目と同じ先生です、正直学部の科目とあまり差を感じなかったのですが...都市の理論的側面の解説が多いです。

 

自分にとっての総評、次回の計画

これでひとまず大学院の卒業に必要な履修教科を達成しました。もっと心理学系の単位を取ろうかとも思っていたのですが、試験時間の重複が多かったために興味が優先になり、社会経営科学の科目が約半数になるという「何目指してんねん」みたいな状態です。

 

心理学で取るとしたら、『現代社会心理学特論』とか『成人発達心理学特論』とかになるんでしょうか。ただ、正直シラバスを読んでいると今までに成書で学んできたことの焼き直しなので、履修したという何らかの証明のためだけにとるような感じになるんですよね。修論がどう転ぶかまだわからないので多分しばらくはとりません。

『人的資源管理』『経済政策』を今後取ろうかなあと思っています(また社会経営プログラムの科目ばっかりじゃん)。あとは生活健康プログラムのオンライン科目で、看護師の特定行為総合科目があるのでえっちらおっちらそれをやってもいいのですが...これも得るものがあるかと言われるとそこまで...悩ましい。余力次第ですが今回は見送るような気もします。

 

学部の科目は『データベース』だけです。これも自分がやっていることにそこそこ近いというか必要なのと、エキスパート『データサイエンス』の必修残り1科目なので次回入ります。

 

達成事項

放送大学エキスパート(科目群履修認証制度)

数学と社会 〇

とうとうやりました、入門微積と入門線型代数結局どっちも1回落としたしとても長かった...!!その2科目をやるためだけに2年かかりました(本当に)。他の科目は別の機会で着々と揃えていったので、必修のこの2科目が本当にしんどかったです。確かに解析のために必須

 

計算機科学の基礎 〇

これもデータ分析・線形代数記号論理学あたりをとったことで達成しました。

 

データサイエンス △

必修が他の科目とかぶってとれていなかったので、『データベース』を取ると達成です。

 

あと、9月に延期になっていた看護の学位審査があります(ちょっとした小論なんですが...)

 

修論以外にもなんらかの目標を見つけないと修論自身が進んでいかんなと思っている今日このごろです。ではまた。

放送大学大学院修士全科生生活Vol.3

あまり書くことがない、いや、書けることが少ない。

でも折角ひと月に1記事書いているので、進捗管理も含めてこのペースで続けていこうと思います。

 

体調が悪い

この1ヶ月は身体的な不調があり、床に臥していることが多かったです。大体毎年梅雨時は体調を崩すのですが、5月病ならぬ6月病的な側面があるのかもしれません。しかしメンタルはいつも悪いので多分関係ないはず(それもそれでどうかとは思う)。

 

作業上の進捗はあまりなかったのですが状況としては進んだことがあり、他大学の先生に連絡を取ることができました。自分は医療職ながら、今のところ医療そのものが専門の方に師事する機会が本当になく、苦慮しつつ自分のやりたいことを口頭で説明しました。もちろん直接の指導教員の先生に色々事前に打ち合わせしてもらって注釈もいれてもらいつつで完全におんぶに抱っこですが、研究概要がまだまだ夢見物語であっても「まあ修士1年のこの時期なんてそんなもんだよ」、と励まして(?)いただきました。

 

共同研究ともなるとオンライン上では済まなくなるでしょうし、時勢もあってどうなるかはわかりませんが、折角チャンスがあるので無駄にすることなく取り組めたらと思っています。

 

 

質的なことのとりまとめ

体調が悪いながらも相変わらず本を読むのは苦にならないので、倫理分野の基礎的な関連文献にあたっていました。倫理については完全に独学なので、可能な限り妥当な論をと思って基礎固めに取り組んでいます。技術的な育ちが悪いのはまあ見ての通りで心苦しくはあるのですが、何も考えずに突っ走るわけにもいかないので、これはこれでこういう期間なのだと前向きに捉えています。はやく手を動かせ。

 

あとは、研究手法に関する文献をもう少し掘り下げないといけないのですがいかんせんの心の中の優先度が低い(本音: やる気が出ない)ためなかなか進みません。やれ。

 

 

今月は試験ラッシュ

今月の定期試験をやりきると卒業に必要な単位をすべて取得することになりますが、学部の科目を合わせると12科目受験することになるのでつらいです。が、皮肉にもウイルス禍で試験のシステムが緩くなっているため、可能な限り修論に集中した状態で片手間に試験を受けることになりそうです…どうかと思いますが…

 

 

来月はもう少しよい記事を書きたいです。

メモ書きも大事なので今回はこれくらいで。

 

 

放送大学大学院修士全科生生活Vol.2

こんにちは。1か月に1つ記事って多すぎちゃうんかと思うんですが、今回は進捗報告というより、自分の今の研究生活と展望についての日記を書いていきます。Twitterで放送大の大学院全科履修志望者をちらほら見かけるので、需要があるのではないかという勝手な想像による自己開示です。稚拙なのであまり書かずにきたのですが、こういうことも誰かの役に立てば幸いです。

 

4月からの環境がとてもよい

修士全科生になってまだ2か月です。折しも世間は大変な中ですが、自分は仕事自体にも大きく変化はなく、また私生活にも大した変化はありません。もともと引きこもりなので、緊急事態宣言下でもほとんど影響を受けませんでした。

外食や喫茶店での勉強を自由にできなくなったことは相当なダメージだったはずですが、偶然ながら引っ越しをしたため、机に向かう環境が大きく改善されました。メリットの方が多いかもしれません。引っ越しをしたことで街の喧騒からも距離を置くことができるようになり、睡眠リズムも体調も若干上向いています。

 

自分の修士生活を前回よりもう少しかいつまみますと、週に3回午後診のみでクリニックに勤めています。フルタイム換算1.5日/週にも満たないくらいです。

普通の通学型大学院生(ストレート院生さんとか)と同じくらい(むしろ軽いかもしれない)の負荷の就労でしょうか。そんな生活のVol.1はこちらです。

streptococcus.hatenablog.com

 

人生設計(と院生生活)は結構ズレているという話

自分は看護師で、1年ちょっと前までフルタイムの病棟勤務(新卒から4年間・内科)をしておりました。院進にあたり、色々身辺状況が変わる可能性が高かったので、転職といっても新たに高負荷の環境に行くことができず、今の非常勤をしています。

しかし、臨床から大きく離れるのはかなりの痛手でした。クリニックが臨床と乖離しているとはもちろん言いませんが、看護師としての役割があるかと言われると非常に少ないのが悔しいところです。自分がこんなに仕事を気に入っていたとは想像もしていませんでした(本当に)。

転職を考慮する段階では訪問看護や施設看護についても意識していましたし、特に身体的な負荷を考えると後者の常勤ないし非常勤はよい選択肢だったのですが、結局選びませんでした。この話は以前から時々しているのですが、過去は変えられませんし、現状そこそこうまく辻褄があっているのでまあいいやと前向きにとらえています。

 

そして臨床の負荷がない影響で、研究テーマは(自分にとって)新奇性の高いものを選べていると勝手に思っています。もちろん研究としても新奇性の高いものにしなければ世に出せませんが...。

 

一般的な放送大学の大学院生として参考になりにくいのはこの辺りかもしれません。放送大院生は社会人入学がほとんどで、フルタイムの勤務者も珍しくありません(むしろそちらの方が多いかもしれません)。これは臨床心理士プログラムを除いた場合で、心理系はやや事情が異なる可能性があります。

自分と同じ研究室に所属している方も、仕事の延長で出てきた疑問を仕事とそう遠くない範囲内で調査・分析し、修論にまとめあげるという方法を選択されていることが多いようです。自分の場合はそういったフィールドがないので、臨床的にはさほど深みのないデータから結果を出さねばならず、不慣れな手法に手をつけるという意味でハードルが高いです。そして孤独です。

それから、自分の研究室に看護師は自分ひとりしかおりません。指導教員も医療分野外の方です。ですが、医療系の職種の方が多く在籍されており、病棟勤務時には得られなかった視点も得られてそれはそれで充実した環境にいると感じています。

 

臨床家による研究に対して思っていること

ごく個人的な印象ですが、先行文献を探すと、調査方法が限られているように感じることがしばしばあります。これは臨床にいながら研究する際にはある種不可抗力で、例えば「お金のかかる機械を使う研究」とか「時間(または人手)を要する研究」は難しいとか、そういう背景事情にも起因しています。

が、放送大院生でいえば、学部や院で該当する授業をとれば調査の方法が多岐にわたっていることはよくわかるはずです。明らかにしたいことに対してその手法が本当に最適なのか(またはその手法を用いることで明らかにしたいことは本当に明らかになるのか)ということを吟味し、計画して取り掛かるまでの時間がとても大切であることが身に染みてわかります。いわゆる、「計画8割実行2割」みたいなものでしょうか。これは自分が院に来るまでに周辺分野の成書にあたっていたために思うことかもしれません。職業研究者の発言からもよく聞かれることではあります。

 

勿論、自分の考えが至らないところはいくらでもあります。いい調査方法に行き当たったとしても指導教員の専門分野と大幅にずれてしまうと指導を受けにくくなることがデメリットとなることもあるでしょうし、そもそも研究手法に習熟していない場合は実験(調査)と結果もやっぱりグダグダになってしまうであろうと思われるからです。このバランスをどのようにとって、2年間という期限と自分の能力とでどこでクオリティを決めるかが最終的な落としどころになりそうです。

 

自分がこれからやりたいこと

このように、現在は臨床から遠い場所でただ研究に邁進するという状況です。

修士の学生であるということは当然修士課程の終わりとそれ以降を見据えて行動しなければならないということですが、放送大の修士に来るにあたってこの辺りが気になる方もおられるのではないかと思い、長い蛇足を書いておきます。

「自分の頭の整理のため」がいちばんの理由ですが。

 

1.研究生活でぶちあたること

技法として自然言語処理を使おうと思っているため、今はそれに没頭しています。そして来年もそんな調子になると思います。参照するのは言語処理に特化した技術書ないし論文ばかりで、臨床なにそれ美味しいの?状態です。

こうなってくると若干自分のやりたいことを見失いそうになるのですが(というかまあまあの頻度で見失います)、自分が目指しているのはあくまでこの研究内容が「臨床に還元されること」です。還元とまでなるとかなり遠い道のりですし計画倒れする可能性も大きいですが、かといって言語処理分野でやっていきたいわけではありません(やっていける能力もまったくありません)。しかし触れている文献や業界が今はそちら方面ばかりなので、自分は無能なのにいったいなにをやっているんだろう.............と迷子になるんですね。

では他の、例えば情報学系の人がやればいいではないかといえば、意外とそうでもないような気がしています。言語処理学会や知能情報学会等参照しているととても面白いのですが、こと医療データの活用に関しては臨床側の視点が不可欠です。データの解釈にも着眼点にも、そしてどのデータが重要であるかにも臨床家が求められます。コンテキストの理解が専門に特化しすぎているためですね。

 

2.修士のあと

じゃあ修士の2年間で何をやるんだとか、それが終わったらどうするんだということを考えると(特に後者は)悩ましいところなんですが、恐らくフルに臨床に戻ることはないと思われます。

看護は臨床なくして存在しえない学問領域ですので、臨床にも軸足は欲しいですが、修士2年(しかも臨床と遠めの分野の)研究をしておきながらそれを活かさず臨床に戻るのは惜しいです。

アカデミアに関していえば、看護分野ですと修士終了後即教職という方も少なくはないようですが、そこも自分はちょっと及び腰です。「アレも嫌だコレも嫌だ」と言っているようで若干虚しいですが、修士が終わってももう暫くなんらかの形で研究をする必要が出てくるような気がしています。今教育の世界に足を踏み込んでも、誰かに教えられることがあるとは思えません。

しかも現状では、自分が食い込みたい倫理の分野はほとんど着手できていません。随分遠大な目標を立てたものだなと思っていますが、これは研究計画の時点で既に構想にあったことなので、修士の2年でどこまでやれるかでその先は変わってきそうです。できたらその研究と実務が繋がればとても嬉しいですが、明確な筋道はまったく見えていない状態です。

 

何のための学位?

見出しはD.A.ノーマン『誰のためのデザイン?』からパクりました。

「学位を何のためにとるのか?」ということは、放送大に限らず、臨床家に限らず、重大な動機となりうると思っています。研究生活はしばしば苦しいこともあろうと思われますが、それが自分にとって・組織にとって(まあこれはなくてもいいんですが)・当該分野にとってどういう価値があるものかを見失わずにいればなんとか乗り切れるんじゃないかなあと勝手に高を括っているのかもしれません。

今後頑張ってもう少し痛い目を見てきます。生暖かい目で見守っていただけましたら幸いです。

 

あと、たぶんまだいらっしゃらないのではないかと思うのですが、私が誰かわかってしまった方はこっそりお知らせください。

放送大学大学院修士全科生生活Vol.1

そこまで属性書かなくても...というタイトルですが、属性で検索にひっかけてもらうためなので許してください。

自粛生活の中、自分の生活はほとんど変わらず4月を迎えました。非常勤ながら、医療従事者なので勿論出勤しないわけにはいかないのです。

 

院生としての現況

放送大学在学生の方はご存知だとは思いますが、放送大生は修士全科生であっても基本的に通学はしません(そもそも通学先がない)。修士なので修論が最大目標であり、そのために指導教員についたり、同じ指導教員に指導をもらうということでゼミがあるのは一般の大学院と同様だと思われます(これに関してもほぼ一対一の指導となり、孤独を感じる放送大院生もおられるようですが)。

指導教員のフットワークによってゼミの集合場所は異なりますが、自粛環境ではZoom使用となり、自粛がある程度緩和されれば東京の文京センターになりそうです。

 

各大学で遠隔授業となり教員も学生も大変な苦労を強いられているようですが、自分としても少し感じていることがあります。

 

①ゼミの時に目が痛い

自分の所属している研究室(物理的な部屋はないが)は10名未満ですが、1か月に1度くらいの頻度で全員の進捗報告や文献抄読があります。自分の分野とは少し離れたところが多く、初めて知るような内容ばかりです。そのためそれぞれ発表の際にPDF共有をしているのですが、難しいこともあるので目を皿のようにして見ています.....目が痛い...........

②色々な資料を一挙に出しづらい

基本的に自分は発表時に多動なので、できたら資料のあれがこうだこれがこうだと色々資料を見較べていただきたい派なのですが、手元に実際に配れるものはPDF形式ですし、パワーポイントとあわせた場合にシングルモニタだと見てもらいづらいのかなと思ったりします。あとまだZoomの使い方に慣れていなくて、反応をみづらいです。

 

普通の院生としてやっていること

①座学(新規に10科目+学部の再試験2科目+オンライン1科目)

今期も血反吐を吐きたいんですね?と言われそうな構成ですがはいそうです、マゾなので(というのは嘘で、追い込まないと頑張れない)

現況としては、教科書の初回の通読を7/10くらい終えています。

実は今期の試験でヘビーなのはすべて学部の科目で(記号論理学・データ分析と知識発見・入門線型代数)、院の科目はほどほどに知識の付け足しをしていくような形です。今までの読書による貯金を着々と取り崩しております....

オンライン科目は「アカデミック・スキルズ」です。こちらも難易度は高くなく、研究リテラシーを高めるような内容です。論文を2本読んでレポートを書く課題が最後に残っていて、既にゼミの抄読会に出したものがあるのでそれでいいかどうかを確認したら即出せそう。頑張ります。

今回の試験を無事に終えると、卒業に必要な座学の単位はすべて取得することとなります。そもそも試験が開かれるのかどうか怪しいですが。

 

②先行文献を漁る

人に説明できるレベルで1か月に2本最低限、という感じのようです(これは抄読会に出すだけであって勿論参考文献としてはもっと読む必要があります)。

とりあえず自分は今はテキストマイニングに関するものと医療倫理に関するものを漁っていて、ゼミで「こういうのも探して」と言われたものもぼちぼち探しています。たぶんおっとり刀です。

英語・日本語問わず読んでいますが、そもそも何を読んでいいかわからないレベルであったりもするので、日本語で書かれた文献が言及しているものを英語で探して...というのの繰り返しです。英語読めないのでDeepLでヒャッハーしていますが、知っている分野の論文だとじかで読んだ方が速いときもあります(たまに単語の言い回しを調べる程度)

 

③技術的問題

さあテキストマイニングをやろう!という段階が長くて写経ばかりしていますが、おおよそRとKH Coderを使おうかなという目途が立ちました(いずれも無料ソフトです)。

どれくらいコードを書く必要があるかも正直今はまともに推量できていませんが、どんな写経でも写経がてら勉強になります。

Rではじめるデータサイエンス

Rではじめるデータサイエンス

 

とりあえず写経を通してRStudioとggplotの楽しさを学ぶ感じです。

データクリーニングやデータの整え方もちょっと学べます。

入門 自然言語処理

入門 自然言語処理

 

使われている言語はPythonなんですが、今やサポートの切れたPython2で書かれているのでお勧めはされないようです(発売も2010と古い)

自分はこれでやりはじめたので時々めくって確かめていますが、必要ではないのかもしれません。

Rによるテキストマイニング入門

Rによるテキストマイニング入門

  • 作者:石田 基広
  • 発売日: 2017/06/28
  • メディア: 単行本
 

今3章くらいまで進めています。コンパクトにまとまっていて日本語のテキストマイニングに適しています。

KH Coderとはなんぞやを知るために使っています。というか、得ておこうと思って適当に買ったら後からKH Coderなるソフトがあることを知りました。この本の著者が製作者の方でした(本当になんも知らずに適当に買ったのでびっくりしました)

あと今年4月に新しい版が出たようです。ぐぬぬ

 

これも新しい版が出たみたいです。手付かず。

 

技術的なところは本当にどこまで必要なのかわからないのですが、他の勉強の合間に趣味で進めている状態です。

 

やろうと思っていること

とまぁこんな調子で1か月が経過したのですが、1日の勉強時間は今のところ平均2.5-3時間くらい。非常勤も並行しているとはいえ、勤務時間も短いので本当はもっとできてほしいです。最低でも今の倍くらいは。というのもいきなり達成は難しいのでちょっとずつ伸ばします...。

去年は作業時間・内容の可視化のためにGoogleカレンダーを使っていたのですが、今年度はstudy plusというアプリを使っています。

www.studyplus.jp

中高生を対象とした記述が目立ちますが、それ以降(社会人の資格取得や大学生・専門学生など)の層も比較的多いようです。

 

それから、論文の記述をサポートするコースが無料で開講されているようなので、そちらも試してみようと思います。まだ手付かずですが。

 

とりあえず、今週は座学の通信指導を出し切ってしまいたいです...後顧の憂いを断つのは大事です。

放送大学で認定心理士と学士(看護)を取得する

認定心理士・看護の学位審査の申請を終えました。後者は書類郵送時期が指定されているので実はまだなのですが、手続きが面倒な部分は大体すべて終えたので記事を書いておこうと思います。

以下は看護学校(3年制専門学校、93単位2550時間以上の授業・実習時間をもつ)卒業者を前提として書きますが、その他で認定心理士にご興味をお持ちの方に向けても併記しようと思っています。

 

 

1.認定心理士・学士(看護)取得の動機

あんまりありません(特に後者は)。

身もふたもない表現ですが、認定心理士業務独占資格等ではありません。国家資格でもなく、特に取ったからといって特別に業務が与えられたり給与がアップするものではありません。

自分が進学するにあたり、教養の学位を取得する(大学に編入・卒業する)以外にもちょっとしたスペシャリティのようなものが欲しかったのと、具体的な指標も欲しかったのとで都合のいい資格であったといえます。看護が既に専門分野としてある以上、「教養学部」の「心理と教育コース」を卒業して、じゃあ何を学んだのか?と言われたときに簡単に説明できるものがあると便利だと思ったのです。

看護の学位はほぼ完全なるおまけです。教養学部を卒業するにあたり、大学では62単位が必要です。認定心理士に必要な単位は最低36単位で、残りをどうとるかは興味次第です。看護の学位に必要な単位を貯めるのは結構簡単なので、ついでにチャレンジしようと思いました。最初は修士(看護)を目指していたので必要なかったのですが、途中から長期目標が変わったので、折角だしとってもいいかと思い始めたのが理由のひとつです。

関連分野にあまり興味がなかったのですが、おそらく単位が取りやすいのと多少は仕事につながるような福祉系の科目を取ることにしました。結果としてはけっこう勉強になりましたし、学位もあって損はしないかと思います。

 

ちなみに、日本における3年制専門学校(または3年制短大)卒の看護師と4年制大学卒看護師では、国家資格は一緒です。病院により基本給に差を設けているところが多く、その差は平均8000円程度/月です。これに対して、私立対国公立ですと学費にかなりの差がつきます(卒業時で数百万程度)。経済的理由から私立の4年制大学に行くことを諦め、国公立の3年制専門学校を選ぶ人もいるのではないかと思われます(4年制の国公立看護学部・保健学科等に行けと言われればそれまでですが)。

学位授与機構を用いた学位申請には、全体としてこんな背景もあります。以上は与太話です。

 

2.自分のスケジュールと最短のスケジュール(年単位)

1)認定心理士

  • 自分のスケジュール:3年

1,2年目が全科履修生編入、3年目は選科履修生でした。全科履修生の間はフルタイム病棟勤務、3年目はクリニック非常勤をしながらです。1,2年目はものすごく大変でした(あまり苦にはなりませんでしたが)。

36単位の必要単位内訳のうち、35単位までは2年間で取得し、最後に残った面接ひとつだけを受けるために+1年が必要となりました。

また、卒業単位であるトータルの62単位を満たす必要がありますが、ここに関しては別の授業もたくさんとっていたので(半期9科目18単位ずつ+面接3科目3単位=75単位程度)2年間で卒業しました。看護の学位申請時には大学(学部課程)に所属していないことが必要なので、どちらにしても一旦卒業する必要がありました(後述)。

因みに、卒業時には学士(教養)を得ます。なのでこの3年間で学位は2種類とります。

 

  • 最短(予想):2年

2年の間に必要単位36単位(うち面接授業最低4科目を取る必要があります)をとり、卒業に必要な62単位を取得すればOK(認定心理士の必要単位ももちろん含まれます)です。講義型の授業はすべて1科目2単位なので、2年間半期ごとに8科目16単位ずつ取ると自動的に達成されます。半期の試験と面接のスケジュールを管理できれば十分に可能です。所属コースは、「心理と教育」コース以外だとやや超過に単位が必要となります(卒業のために所属コースから取得が必要な単位数が決まっているので)。

なので、私のようにいかなる学士も持っていない場合、4年制大学の卒業が前提になるので最低2年は確実に必要です。

詳しくはパンフレットをどうぞ。

http://ouj-dp.web-creek.com/pdf/2020_ns_tb_01.pdf

なお、パンフレットをご覧いただくとわかりますように、放送大学での単位」と「認定心理士における単位認定」が異なる場合があります(副次科目としての申請)。

 

また認定心理士は、面接授業を最低4科目受ける必要があります。1科目あたり2日間、各都道府県にある学習センターで開講されます。日程はそれぞれの授業ごとに異なりますが、2日連日or週を跨いで同じ曜日に行われることが多いようです。各都道府県でそれぞれ別の講師により担当されていますし、半期ごとに入れ替わりもあります。私の場合、心理実験科目は大学院博士後期課程〜ポスドクの方でした。心理検査のみ、実務の臨床心理士の方が来られました。

 

2)学士(看護)

  • 自分のスケジュール:1年半

全科履修生の卒業前くらいに突然授業を取り始めました。先述のように進学先が変わったことが影響していますが、いずれにしても全科履修生の在学中は学位の申請ができない(学位授与機構「新しい学士への途」参照)ので、入学当初からトバして取る理由もありませんでした。

看護の学位申請はややこしいですが、私のように「3年制、93単位以上(2550時間以上)」の専門学校卒の場合は「第2区分」に相当する場合、1年以上かけてトータル31単位(放送科目だと16科目以上)の取得が必要です。

内訳として、

①「専門科目(看護の)」1単位以上と

②「関連科目(医療とか福祉とか)」をあわせて15単位以上(≒8科目以上)

③専門・関連科目以外を15単位以上

を取る必要があります。

http://ouj-dp.web-creek.com/pdf/2019-1j.pdf

パンフレットを見るとややこしいですが、7ページ目の「学位申請条件」はあまり気にしなくても大体全部満たしていると思います。学校によっては専門・関連科目以外がもしかしたら満たせない可能性もありますが、大学で何科目か取ると大体満たせます。学位審査の書類を提出にあたって嫌でも全部手入力しなければならないので結局申請前に全部わかります。

心配であれば、卒業校で成績証明書を取り寄せるとよいでしょう。ちなみに、卒業校の取得単位が「専門科目」「関連科目」「それ以外の科目」のどこに属するかは自分で考えなければなりません。カリキュラムが多様なので致し方ないことですが、学位授与機構からも大まかなジャンルしか公表されていません。

自分の場合は編入時に成績証明書を取り寄せて放送大で単位認定したので、そのときに「大体いけるやろ」とざっと確認した程度でした。

最初の半期で5科目+1科目(認定心理士の必要単位なのでもともと持っていた)をとり、残りの1年で半期に1科目ずつとりました。試験時間がかぶっているので取れない科目が実はたくさんあります、注意が必要です。

 

  • 最短(予想):1年

選科履修生で所属すると楽ですが、「夏季集中科目履修」という方法もあるようです。後者は学習センターに出向く必要がある(つまり仕事を休まなければならない)ので、自宅では本当に集中できない方向けかなあと思います...あとは座学の試験期間に休みを取れない方向けでしょうか。しかし夏季集中科目も休む必要はあるので、同じことだと思います。おそらくこちらは、2年制看護学科卒(衛生看護科で准看など)の方が必要単位を満たすための措置だと思われます。

上述しましたが、1年でトータル31単位とればよいので、半期8科目ずつでクリアです。8科目となると試験日程も勉強もそこそこ忙しいので注意が必要です。

ただ、やってやれないことはないなというのが自分の実感です。

 

3)認定心理士と学士(看護)を同時に取る場合

  • 自分のスケジュール:3年

結局トータルでかかった時間は3年ですが、3年目は看護の学位に必要な科目は残り2科目、認定心理士に関しては残り1科目(面接授業のみ)でした。なぜずれ込むかというと、「放送科目の試験時間が被るから」です。これはしばしば起こります。なので、取りたい科目が重複していることを発見したら、優先される(必修の)科目を取ることをお勧めします。試験は半期ごとにスケジュールが変わるので、何度も被るという憂き目に遭うこともあります。面接授業は競争率が高いので、場合によってはランダムの選考になり、落ちます。

  • 最短(予想):2年

認定心理士の方が必要単位数が多いので、どちらかといえば「心理と教育」コースに所属することをお勧めします(卒業に必要な自コースの単位もとれるので)。

双方の資格に必要な単位を最初にチェックしておいて、取れるものからとり、残りの関連以外の科目にも目をむけておけば問題ないと思われます。ただし、最低でも半期ごと8科目(面接を含みますが)の単位を取らなければスケジュール通りに動くことができないので、そこそこ過密です。

 

3.実際にとった単位

1)認定心理士

基本のコンセプトは「認知心理」と「心理学研究・データ分析」です。臨床心理や発達心理にはあまり興味がなかったので(まったくなかったわけではないのですが)、それらを避ける形になりました。

基礎科目:15単位(必要最低12単位かつ必要条件・必修科目有)
  • A領域:4単位(必要単位4単位)

心理学概論(ʼ12)(必修・現在は18年度科目に後継)

教育心理学概論(ʼ14)(選択・現在は20年度科目に後継)

  • B領域:7単位(必要単位はC項目(最低4単位)と合わせて8単位、要するに4単位あればOK)

心理学研究法(ʼ14)(必修・現在は20年度科目に後継)

心理統計法(ʼ17)

身近な統計(ʼ18)(副次科目)

社会統計学入門(ʼ12)(副次科目・現在は18年度科目に後継)

ユーザ調査法(ʼ16)(副次科目・現在は20年度科目に後継)

データの分析と知識発見(’16)(副次科目・現在は20年度科目に後継)落としてしまったので申請単位として使えません

  • C領域:4単位(必要単位4単位)

心理学実験1

心理学実験2

心理学実験3

心理検査法基礎実習

 

選択科目:16単位(最低16単位、かつ5領域のうち3領域で4単位以上を含む)

認知心理学(’13)(現在は『知覚・認知心理学(ʼ19)』に後継)

錯覚の科学(ʼ14)(現在は20年度科目に後継)

  • E領域(生理心理学・比較心理学)4単位

比較認知科学(ʼ17)

認知神経科学(’12)(現在は『生理心理学(’18)』に後継)

発達心理学概論(ʼ17)(教育心理学概論はA領域で使ってしまった)

  • G領域(臨床心理学・人格心理学)2単位

人格心理学(ʼ15)

交通心理学(ʼ17)

社会心理学(’14)(現在は『社会・集団・家族心理学(ʼ20)』に後継)

 

その他の科目:6単位(任意)

音を追究する(ʼ16)

色と形を探究する(ʼ17)

危機の心理学(ʼ17)

 

で、計37単位(認定心理士基準換算)でした。

 

2)学士(看護)

あんまり看護看護した科目を取りたくなかったので社会福祉に科目を寄せました。知っている内容が多いのですが、「社会保険のしくみ」や「国際比較」、あと法律の絡む2科目は内容が充実していて面白かったです。

  • 専門科目(A群)2単位(最低1単位)

看護管理と医療安全(’18)

  • 関連科目(B群)14単位(A群と併せて最低16単位)

認知神経科学(’12)(現在は『生理心理学(’18)』に後継)

地域福祉の現状と課題(’18)

社会保険のしくみと改革課題(’16)

社会福祉実践の理論と実際(’18)

社会福祉の国際比較(’15)(現在は『社会保障の国際動向と日本の課題(’19)』に後継)

家族と高齢社会の法(’17)

社会福祉と法(’16)

 

4.申請までにかかる費用と審査料

気になるところであろうかと思われますので書いておきます。

1)認定心理士(3年次編入・卒業する場合)

放送大学への納入

授業料:1単位あたり5,500円×62(必要単位を含めて)=341,000円

全科履修生入学金:24,000円

他学校での既習単位審査料:10,000円

 

日本心理学会への納入

認定審査手数料:11,000円

認定心理士発行手数料:30,000円

 

以上を合計すると407,000円です。

半期ごとに10万あれば十分なので、時間あたりの負担はそこまで多くはありません。

 

既に学士をもっていて全科履修の編入卒(教養の学位の取得)をしない場合には、全科履修or選科(1年)履修or科目(半年)履修のいずれでもよく、最低限の授業料で済ませるならば

1単位あたり5,500円×36(必要単位)=198,000円+入学金で222,000円となるようです。心理学会の納入と併せると263,000円ですね。勿論この場合、理論上は「半年or1年で必要科目をとる」ということも可能です。

 

2)学士(看護)

「学士(教養)」、「認定心理士」をとらずに看護の学位だけとる場合の金額です。

授業料:1単位あたり5,500円×31(必要単位を含めて)=170,500円

学位授与機構での審査料:32,000円

=202,500円

 

他の科目を履修する場合には上記の授業料は他の授業料に含まれることになるので、認定心理士と学士(看護)、学士(教養)をすべて取得するために必要な最低金額は

授業料:1単位あたり5,500円×62(必要単位を含めて)=341,000円

全科履修生入学金:24,000円

他学校での既習単位審査料:10,000円

認定審査手数料:11,000円

認定心理士発行手数料:30,000円

学位授与機構での審査料:32,000円

=432,000円

 

だそうです。自分は実際にはもっと貢いでいるんですが(あれこれ授業とったので)。

 

5.注意事項

他の放送大関連記事でも書いてきたのですが、フルタイムワーカーにとって最も大変なのは、面接授業や試験日程時の勤務調整ではなかろうかと思います。

複数の科目を申し込むとそれだけ試験時間が増えますし、試験同士の重複(複数科目を同時刻に試験するため)を避けるためには綿密にスケジュールを組む必要があります。

幸いにして自分は勤務希望を(比較的)出しやすい職場でしたし、可動制の夏休みを充てて試験を受けたこともあります(最低限のスケジュールで受けようとしたら夜勤の前後に試験を受ける羽目になり泡を食いましたが)。

 

6.その他補足

学位申請も認定心理士も現在書類提出までほぼ済んでいますが、科目を取ることもさながら書類の準備が実に面倒です。専門学校時代の成績証明書であったり高校の卒業証書であったり放送大の成績証明であったり......

それから、看護の学位審査のためにはこのブログに書いた科目の履修以外にもう2点、学位授与機構へのレポート提出と小論文があります。

レポート提出は大体1万字程度で、小論文は東京ないし大阪まで出向く必要があります。

なのでこの記事の記載時点ではどちらの資格も自分は取得していません。落ちたら笑ってやってください

放送大学2019年度後期授業評

今回は学部の選科履修生(後期)に併せて修士科目生(半期)をしていたので、両方の感想と結果を書きます。

学部

心理と教育コース

心理学実験2(面接授業)ーA

久々の面接授業です。前期の申し込みが手違いでできなかったので後期に回ってしまいましたが、これにて無事単位獲得が終わったので認定心理士の手続きに入れます。

 

社会と産業コース

教育社会学概論('19)ーA〇

至って普通の授業(普通の?)だったかなあと思います。

教育社会学系の本をもともとちょこちょこ読んでいたのと、学生の時の教養科目で教育学があったのを思い出してとりました。あと将来的にちょっと役に立つ可能性があるのとで。

法学入門('18)ーC

再試験になってしまっていたのでちゃんと受けました、合格していました(ギリギリだけど)。

法学ちょっとやらないかんと思って、興味も相俟ってとったのですが、満遍なく法の歴史とか国際的な違いとか知ることができていい科目だったと思います。

マーケティング論('17)ーC

これも再試験の雪辱を晴らしました。あんま興味がある分野ではなくてつらかったんですけど、エキスパート『データサイエンス』のために泣く泣くとりました。悪くはない授業だったのだと(他の授業のアレっぷりを見て)気づきました。

経営情報学入門('19)ーA

失礼ながら今期のベストオブクソ授業でした。

興味があったので受けたんですけど............マーケティング論で十分でしたね、マーケティング論のほうが資料・参考文献共に充実していましたし根拠もはっきりしています。

経営系の授業、当たりはずれ大きいかもしれません。情報学系の科目は他にもいいのがたくさんありますし(『データの分析と知識発見』、『コンピュータと人間の接点』など)。

社会福祉と法('16)ーA〇

これも持ち込み可だったんですけど、いい授業だったなと思います。『社会保険のしくみと改革課題』とちょっとかぶるところがあります。看護の学位のために取っています。

 

人文コース

経験論から言語哲学へ('16)ーA〇

いい科目だったと思います。持ち込み可。イギリス経験論は自分はヒュームとアダム・スミスくらいしか知らなかったんですけど、知識の哲学だの道徳の基礎付けだのはこの辺が功利主義とつながりが深いのでやってよかったなと。言語哲学方面はもともと英米分析哲学への流れに興味があったので、分野的にももともと重点的に知りたいところでした。

 

情報コース

データの分析と知識発見('16)ーD

ええ...落としたんかい...(努力不足)

持ち込み可で普通に答えたつもりだったんですが何があったのか。

数値解析よりよほど出来は良かったと思うのですが...来期からは新しい20年度版になるようなのですが、とりあえず再試験頑張ります...。

エキスパートプラン『計算機科学の基礎』の選択科目、『データサイエンス』の必須科目なのもありましたが、教科書の内容的にも非常に充実していて今アツい分野だなあと思うなどしました。統計と名のつく科目だけでなくこっちもとったほうがいいと思います。

数値の処理と数値解析('14)ーB

えー色々難しすぎました 力学系の計算とかに使えるんやろなあと思うんですが自分にはめちゃハードル高くて死ぬかと思いました(実際死んだ)。

持ち込み可能なのに受かった気がしなかった(受かってしまったが)。

線型代数使うのでそりゃ入門線型代数落としてる人間が苦しむのは当たり前なんですけど、ベクトルとか行列の計算の練習していたので次回の勉強のためにも要るなあと思っています...難しい...

エキスパートプラン『社会数学』『計算機学の基礎』『データサイエンス』いずれの必要科目にもなっているので(特にデータサイエンスは必須科目)、ちょっと前進しました。

 

自然と環境コース

入門線型代数('19)ーD

教科書半分くらいわかってないまま当然のように落としました

やる気なさすぎですね、着手が遅すぎたのもあるんですけど。入門微分積分のときと同様、前提になる行列をまったく知らないまま履修したのでまずそこからでした。

Aレベルを最低限理解したいなあと思ったんですけど...次回も頑張ります.........

エキスパートプラン『社会数学』『計算機科学の基礎』のための科目だったんですけど次回に持ち越しです。

 

大学院

オンライン授業を取ったことがなかったのと、筆記試験は学部の科目で手一杯かなあと思ったのでオンライン科目をとりました。すべて看護師の特定行為共通科目に相当します。特定行為にそこまで興味があるわけでもないのですが、単に知っておきたいという興味もありまして。

 

統合医療安全・特定行為実践特論('19)ーA〇

一番レポート課題が不明瞭な科目でした(質問箱に若干いちゃもんつけてしまった)。医療安全に関しては既知の知識も多いですが、法的根拠等が説明される章もありました。

統合臨床病態生理学・疾病概論('19)ーA〇

解剖生理と病理の復習です、以上。難しくありません。

臨床薬理学特論('17)ーA〇

学生時代に学んだ薬理だけでなく、投与方法(調剤による変化・配合変化)とか妊婦・授乳婦への投与、薬物相互作用に関して結構詳しく学べてよかったと思います。レポート課題が一番勉強になった科目です。

 

所感

こうしてみると、今期授業取りすぎでした。

しかも、これに加えて院試を受けていたので結構気持ちの余裕がありませんでした...

前期もまあまあハードに授業受けたし、今はもう仕事が楽だし、できるだろうと思っていたのですがなかなか難しい部分もありますね。

 

目標達成度

資格関連

1.看護学士 〇

年度が始まった時点で残り3科目だったのでもともとかなりよい見込みだったのですが、単位の要件を満たしました。学修成果として1万字程度のレポートを作成する必要がありますが、これに関してはそこまで苦にならないと思います。

2.認定心理士 〇

今期の面接授業のみを残していたので、こちらも要件を満たしました。申請するだけでOKです。

この辺はほとんど見込みがあったのですが。

 

エキスパート関連

全部×やんけ!と言われそうですが、この1年を通してみるとあと1歩のところまで詰めてこれたなあと思います。去年の年度末には残り1年ではほぼ確実に取り切れないであろうと思われていたので、見通しから大きく外れてはいないと思います。

1.社会数学 △

この1年で2科目とって、残り入門線型代数だけになりました。最短来期じゃないと困る。

2.計算機科学の基礎 △

今期で5科目追加でとりました。残りは入門線型代数とデータ分析です(どっちも再試...)。これも最短来期じゃないと困る。

3.データサイエンス △

必須科目2科目埋めて、残りはデータ分析とデータベースだけなんですが、来期の授業がデータベースと入門線型代数の再試験がかぶってしまうので泣く泣く延期です。

最短来々期。

 

来期取る授業

院試に受かったので来期からは修士全科生+選科履修生(データベースはいずれにしても後期になるまでとれないので1年間...)です。

大学院科目

試験日程が2日間しかないので、都合上こんな感じになりました。これで、

今期とった授業と合わせて卒業に必要な単位はすべて満たすことになります。

共通科目

研究指導

アカデミック・スキルズ(’20) オンライン科目

生活健康プログラム

精神医学特論(’16)

ヘルスリサーチの方法論(’19)

福祉政策の課題('18)

人間発達プログラム

心理・教育統計法特論(’15)

教育文化の社会学('17)

社会経営プログラム

都市社会構造論(’18)

公共政策('17)

公共哲学('17)

社会的協力論('20)

 

学部科目

新しくとる科目

記号論理学('14)

再試験

入門線型代数・データ分析と知識発見

 

というわけで次回も頑張りましょう。