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放送大学大学院の受験について:プロセスと結果

放送大学大学院・文化科学研究科文化科学専攻(生活健康科学プログラム)に合格しました。

ただ大学院に入るだけであればブログを書く必要はなかったのですが、放送大はあんまり情報がありません。研究室訪問もできないので、事前情報を得られる機会もなく、指導教官とのコンタクトもとれません(実際には可能ではあると思われますが)*1

情報があったほうがよいかなあと思い、記事をわけて専用のものを書きます。

大学院を受けるに至った経緯と自分がやったことについて諸々書いていこうと思います。

 

 

 

 

0.自分のバックグラウンド

専門学校卒の看護師です。病棟勤務を4年間したのち退職し、現在はクリニック非常勤です。病棟勤務の後半2年間に放送大学の3年次(心理と教育コース)に全科履修生として編入し、卒業しています。

今年度(つまり転職後)は放送大学選科履修生(1年間)として在籍して学部の科目を履修する傍ら、今年度の後期には放送大学大学院科目履修生(半年間)も並行しておりました。

 

1.なぜ放送大学の大学院を受験したか

看護師のキャリア形成についてご存知でない方にもお読みいただきたいので、簡単に看護師のアカデミックなキャリアについてお話しします(主観が多分に含まれることをお許しください)。また、自分は博士課程の事情についてはほとんど情報をもっていないので、修士課程を前提とします。

看護師の進学・進路の概略

1)学部卒ストレート、または実務経験後に看護学専攻へ

看護・保健分野には臨床実務型(上位資格取得を目指す)の大学院進学と、より研究に比重をおく進学の2通りがあります。

①上位資格型

資格取得と明確に結びついた、「助産学専攻」(助産師になるためのコース)や「CNS(専門看護師)養成コース」が代表的です。後者は、取得のために5年間の実務経験が必要です。

このタイプは通学で、バリバリ実務をしながら履修することは難しいです(実習・研修等がハードなため)。アルバイト程度であれば可能かもしれません。

 ②研究特化型

研究特化型の進学に関しては(他の分野はもちろんこちらがメインでしょうけれども)方向が多岐に渡りますので、内容は割愛します。他のアカデミアと同じく、分野も手法も研究室によって大きく異なります。

他の領域と異なる傾向は、働きながらの就学(いわゆる社会人大学院生)を積極的に推奨・支援している大学院があることでしょうか(3年かけての履修が可能なところもあります)。進学を支援する病院その他の医療福祉施設から、就学への助成金が出ていることもあります。

しかしこちらも、看護保健分野以外の業界でもちらほら聞かれます。後述のMBA取得などは特に、実務と結びついているので会社からの助成や通学への配慮があったりしますね。大学院のシステムも平日夜間+休日開催のスタイルをとることもあるようです。

 

2)公衆衛生・医療情報・医療経営等の隣接分野へ

もうひとつのタイプは、隣接分野への進学です。この中にも特定の専門職修士の取得を目指すものがあります。MPH, MBA, MHA, 臨床心理士等がこれに該当しますが、これらは看護師ないし保健師出身であるかどうかを問いませんし、それゆえ実務経験の有無を問いません(あった場合に問題意識をもちやすいというメリットはあるかもしれません。)

 

このように、上位資格や高度専門職としてのキャリアのステップとしての修士課程進学ルートが多い現況です。もちろん、少数派ではあっても海外大学院への進学もあります。ちなみに看護師全体の母数を考慮すると、これらの進学の方法がありながらも、実際に看護師として勤務していて大学院に進学される方の人数はそう多くありません。臨床実務上必要な資格を取られる方が圧倒的に多いです。

 

このような背景がありながら、自分が通信制である放送大学を選んだのには2つの理由があります。

 

放送大学以外への進学が難しい理由

1)転居の可能性が高かった*2

上位資格や専門職修士を目指す場合、固定の大学への通学が必要です。自分には諸般の事情から転居の可能性があり、研究を完遂できないことも想定できました。このため、在宅でも可能な内容を選んでいます。

2)看護その他医療系周辺分野での通信制大学院は支援体制・研究実績が心許ない

自分は研究をする者としては現在まったく能力がなく、その方法を学習するにしてもなんらかの指南を必要とします。これを通信で行っている看護系大学院のありますが、その研究室の実績や指導方法が明記されていなかったり、卒業生の動向が明らかでなかったりと、進学するメリットがはっきりしないことも関係します。また、こういった手法をとっている大学は私立であるため、学費も高騰します。

 

放送大学へ行くことのメリット

1)入学後のシステムを大体知っていたから

学部編入から卒業までおりましたので、大学院のシステムについても同等の部分がいくつかあります。そのため、安心して入学希望を出すことができました。看護の分野ではなくとも、出身大学の大学院に進学される方は多いですよね(勿論学部から所属していた研究室にそのまま所属するからという理由もあるとは思いますが)。

また、放送大学は選科履修・科目履修については大学院であっても試験なしでの在籍ができます。このため、学部に在籍したことがない方でも研究指導以外のシステムを知ることが可能です。

2)学術的な分野を横断する研究または指導の実績がある教員がいたから

これに関しては看護関連分野にも勿論おられるとは思いますが、自分の場合は臨床を視野にいれつつもあまり看護研究(ここでは看護師が筆頭著者となって行う研究とします)にみられない手法を用いようとしていたので、他分野が専門ながらも臨床と共同研究・指導をされている指導教員の方を希望しました。

 

そしてもちろん、これが遠隔教育で(しかも安価で!)受けられることが何よりのメリットでした。

 

2.受験を考えた時期の学習・勤務の状況と変化

前職勤務は非常にハードだったのですが、学部に在学している間は半期ごとに9つの科目を履修していました。しかし寝食を惜しんで毎日勉強をしていたかといえばそうでもなく、趣味の読書も(やや履修内容とかぶるとはいえ)それなりのハイペースで続けることができました。

が、大学院に関してはもちろん研究が最大の目的となります。2年間かけてとりくむ必要を感じるような問題意識と、それに取り組むだけの時間・知力のリソースが必要です。自分には前職を続けながらこれを用意する自信がなかったですし、もともとは臨床を5年務めたのちに別の大学のCNSコース(慢性疾患看護)に進むつもりでした。テーマも今より(物理的に)臨床に近いものを考えておりましたが、まだまだ曖昧なものでした。なにより仕事と学部の勉強が既に手いっぱいで、研究のことまで考える余裕はほとんどありませんでした。院試の英語をどうしようかと思っていたくらいです...

 

しかし臨床4年目に入って、どうにも自分に転居の可能性がでてきました。通学前提の大学院進学をすると、中途退学という結果になるリスクも抱えることとなってしまいました。それでも進学は諦めたくなかったですし、自分のフィールド(つまり研究の対象となる豊富な臨床)をもてなくなることで研究内容を再考する必要もありました。

いずれにせよ、院試に関しても研究内容にしても前職のままで受験することは自分にはできなさそうだと判断し、転職することにしました。

転居する可能性がさらに高くなってしまったことも強く影響しています。

 

3.院試までの実際の学習・計画とその結果

4~8月(願書提出まで)に行ったことを書きます。

6月半ばくらいに放送大学大学院のガイダンスがあったので、大阪まで出向いて参加しました。基本的にはWebにも書いてあることの説明+αなので、行かなくてもいいかなと思ったりもしました。が、臨床心理コースの方はおそらく必須ですし、それ以外のコースを志望されている方でも損をすることはないと思います。

これを踏まえたうえで、前後して下記のことを進めました。

1)コース・指導教員を考える

大学院を志したことのある方ならご存知のこととは思いますが、とても大切なポイントです。

自分が希望していたのは看護と情報科学、さらに倫理を横断する分野であり、プログラムとしては「生活健康科学」「人文科学」「情報学」という選択肢がありました。

人文科学コースには倫理の指導をして下さる教員が(少なくとも専任教員としては)おられないことや、情報分野の技術に関する指導が得られないであろうことから簡単に除外できました。生活健康科学と情報学では結構後々まで悩んで、過去問を見たり指導教官の専門分野を調べたりと比較をしています。幸い、生活健康科学に自分の研究を見ていただけそうな指導経験をお持ちの方がおられたので、願書にはその方のお名前を書かせていただきました。放送大学だけではないのかもしれませんが、願書提出時に指導教官の名前を書く欄があります(2名まで書けたような気がしますが、空欄も可です)。

 

2)語学の勉強をする

放送大学大学院の受験内容は、生活健康科学コースですと英語(高校~大学受験程度の平易なもの)と、日本語の論述でした。英語に関しては英和辞書の持ち込みも認められており、かなり平易です。

しかしながら、最低限語学は以前よりも伸ばしておく必要があろうと思い(何せ高校以降はまともに英語に触れていないので)、ずいぶん前に購入していた教材に手をつけました。万人へのおすすめではまったくありませんが、Z会が出版している『ACADEMIC』というシリーズです。

単語・リスニングの教材として作られていますが、大人の教養向けでもあり、その内容自体がハイコンテクストな素材です。数年前に面白そうだと感じて衝動買いしたものでした。

テーマ別英単語 ACADEMIC [初級]

テーマ別英単語 ACADEMIC [初級]

  • 作者:中澤 幸夫
  • 出版社/メーカー: Z会
  • 発売日: 2010/01/16
  • メディア: 単行本
 
テーマ別英単語 ACADEMIC [中級] 01人文・社会科学編

テーマ別英単語 ACADEMIC [中級] 01人文・社会科学編

  • 作者:中澤 幸夫
  • 出版社/メーカー: Z会
  • 発売日: 2009/07/09
  • メディア: 単行本
 

自分が受験までに本文すべてを読んだのは、このシリーズ全5冊のうち上記2冊のみです。それぞれに章立てでテーマが分かれており、当時読み漁っていた本と内容がかぶるところもあったので楽しんで進めることができました。

放送大の出題(過去問を公式サイトから閲覧することが可能です)内容と遜色ないどころか、むしろこちらのほうが高度な内容だったと思います。アカデミックな文章に慣れる意図もあって、モチベーションとしては悪くありませんでした。

大体4-6月くらいにかけて、1日平均45分くらいだったと思います。少ないですね。ただ、フルタイム勤務をしながら受験するならば、妥当な時間かなあと思います。

自宅だとやる気が出なかったので喫茶店に行ってアイスコーヒーをがぶ飲みしながら延々と読みました。それから、モチベーションの支えにするため、実際の学習時間を5分単位で記録していました。あとは、英単語アプリやAnkiアプリをスマホに入れて、空き時間にちょこちょこ練習していました。

 

それから、受けたことがなかったTOEIC(ノー対策で)受けました。実はこれ以前にも語学学校に通ったことがあるのですが、多忙すぎて半年で脱落してしまっています。以前予定していた通学の大学院に出願するためにはTOEICの成績を提出する必要があったのですが、語学学校での入学前テストは惨憺たる有様だったので、危機感がありました。

リスニングも読解の練習もろくにしないまま挑んで、結果は540点くらいだったと思います(ショボすぎる)。TOEIC受験申込後に気づいたのですが、放送大学への出願にも語学の資格等を記載する欄がありました。「書いたほうが不利になる点数なのでは...」と思いながらも、書かないよりはマシだと思って書きました(結果にどのように影響したかはわかりません)。

 

本来は文法もやったほうがよかったのだろうと思うのですが、自分はとにかく体系的な学習が苦手でしたので、長時間でも苦なく取り組める環境に身を置くことが最優先でした。英語に関しては真面目でなかったなあと思います。

 

3)研究計画書・志望理由書を書く

これもとにかく時間がかかりました。ぼんやりした内容を形にするのは大変です。

なにより大学院の研究計画書なんて書いたことがないわけですから、ネットで調べたりしつつおおよそのテンプレートを作りました。

①りーざの言葉遊び帖(言語学専攻の方とのことです)

leeza-phoneki.com

②育達科技大学・内山先生のブログ(直リンクですすみません)

www7a.biglobe.ne.jp

北陸先端科学技術大学院大学 先端科学技術研究所知識科学研究科知識マネジメント領域 敷田研究室ページ

www.jaist.ac.jp

こちらは研究計画書だけでなく試験で大切なことの具体例が示されていて、非常に参考になりました。

④その他、他の大学院で使用されている研究計画書テンプレート

 

...などなど。他にもたくさんあたりましたが、リンクに残っていませんでした。が、たいていはどこも同じようなことを書いています。

  • なぜその研究が必要なのか(または面白いのか)
  • 新奇性はどこか(既存の研究と何が違うのか)
  • どのように研究を遂行するのか(対象、時期、方法などなど)

 

さらに大変だったのは具体性をもたせるための肉付けをしたり参考文献を増やすことで、自分の分野は看護というより情報学分野に非常に近かったこともあってほとんど実現不可能なのではないかと思うような参考文献にたくさんぶち当たって心が砕けそうになりました。

研究計画書は1000字程度、志望理由書は700字程度だったかと思いますが、最初はこれらの区別をせずにトータル3000字以上書いて、テンプレートに合わせて削っていきました。なお、この書類以外に、500字程度で過去の研究(自分の場合は専門学校の卒業研究ですが)を出してもよかったので、要約して提出しました。出すほどの研究でもないのですが、面接でこの研究について説明する機会があったので、話のタネ程度でもいいから書くべきだと思いました(特に自分のように面接下手を自覚している場合は)。

 

個人的にアドバンテージだろうと思っていたポイント

自分が大切にしたことは

  • 今までの自分の臨床経験が問題提起となったこと
  • それらが今も全国的に深刻な問題であり、需要があるにも関わらず解決されておらず、また今後その需要はさらに高まるであろうという見通しがあること
  • 他の職種・医療以外の分野の専門職の協力が必要であり、自分は(多少ではあるが)隣接分野への興味関心が深いこと・それらの文献を読んできたこと
  • 研究対象に容易にアクセスできること、具体的に対象が定まっていたこと
  • 簡単な自分用のメモを作成していたこと

などです。

メモは院試を考える前から研究したいテーマをいくつか捻りだして、簡素な草稿を作っていました(箇条書き程度のたいしたことのないものです)。思いつきや、現実的でないもの、ただ興味があるだけのものも書いていたと思います。

最終的に院試直前には自分の研究の要旨や必要性をQ&Aや箇条書き程度の簡潔な形式で書類1枚にまとめ、参考文献を「使えそうなもの」「使えないかもしれないけど非常に面白いもの・概念として取り入れられるもの」「読んだけど面白くなかったもの」などに分類していました。

また、これらすべてを計画書や理由書に書けたわけではありません。が、他の誰でもない自分が2年間もかけて取り組む理由を芯に持っておく必要を強く感じました。結果的に、たまたまではありますが、面接ですべてお話しする機会に恵まれました。

 

ディスアドバンテージだったかもしれないポイント

①研究手法がガバガバ

これに関しては「かもしれない」で、結果的に合格してしまったのでどこまで詰めるかは個人にゆだねられるだろうとは思われます。自分は自分が扱ったことのない分野の技術を使おうとしていて、願書提出や面接の時点ではまだまだ未熟な状態でした。

未熟ながら下地として勉強していたことといえば、関連分野の成書を読むこと(概説本から研究デザインに近いものまで)と技術的な部分の解説をしている放送大の科目を履修することくらいです。どちらも十分であったとはいえず、実際に面接ではこのあたりに明るくないことがモロバレであったと思われます。

前向きにとらえるのであれば、2年かけてじっくり取り組むわけですから、未熟であっても許容されるであろうと高を括っていた部分もあります。研究デザインから解析まで自分でできるならば、最早それは修論が書けているようなものではないか、と。それも含めて学びに行くことを面接で強調しました(震え声で)。

ただ、これに関しては自分が今や非常勤のヌルパート主婦であるからこそ豪語できることで、実際の放送大学の大学院生はフルタイムの社会人学生も多くおられます。研究に割く余力が多くないことを考慮すると、既にあるフィールドを使い、習熟している手法があるならばそれを武器にするほうがよいかもしれません。

②参考文献を志望理由書・研究計画書の記入欄にいれなかった

研究背景を説明できる資料をすごくたくさん準備していたのですが、「字数制限」というものを気にしすぎてしまい、なんと省いてしまいました。通常、参考文献は記入して当然というネット情報をたくさん見ていたにも関わらずなぜか直前になって日和ってしまいました。普通の大学院なら落ちてもおかしくないような気がします

ただ、参考文献はかなり練っていて、事前にいろいろな分類をしていました。

 

4)願書提出までの状況

新しい職場に慣れるまでにはさほど時間もかからず、語学と学部の授業に時間をつぎ込むことができました。

ただ、学部の授業が非常にハードで、正直院試の準備に充てる余力はあまりありませんでした。自分がフルタイムワーカーで、学部の授業を大量にとりながら院試の準備をするのは逆立ちしても不可能であったと思われます。

何より、このときの学部の授業は院試以降の準備も兼ねて情報科学・数学等の未知の分野に手を出しつつありました。これがさらに状況をハードにしていました(当時の負荷としては悪くなかったと思いますが)。

なので、4-5月は英語を重点的に勉強し、6-7月は学部の科目を履修していました。1日の勉強時間は平均すると2時間程度で、実際の幅は0-6時間程度と非常にムラがありました。

 

そんなこんなで、出来不出来はあれどとりあえず8月末は否応なしにきてしまい、願書を提出しました。

 

5)1次試験・2次試験の実際

<1次試験>

1次試験は各学習センターで受けられるので、英語・論述あわせて2時間で終わります。

試験は公式サイトでも公開されますが、これまでの年の問題に比べて、逐次翻訳が多かったイメージがあります。論述もなんだったか忘れてしまいました(忘れっぽいな)。

 

<2次試験>

こちらは千葉の放送大本部まで出向きます。放送大キャンパスはJR幕張と海浜幕張の中ほどにあり、電車のアクセスはよいのですがそこからがやや面倒です。

ちなみに1次試験の結果の通知は2次試験の2週間ほど前に届くので、離島で勤務されている方などは都合をつけるのが大変なのでは...とちょっと思いました(11月半ばの土日いずれか、時間は9-16時の間で、選ぶことはできません)。

自分は東京駅近くに宿をとって前乗りし、東京で京葉線に乗り換えるという愚を犯して(とっても遠い)疲労困憊の末に大学本部に行きました。

 

面接内容は、一般的な内容だったと思われます。

面接官は2名とも看護が専門ではなく(放送大には看護・保健分野が専門の教員もおられます)、うち1名は願書の指導教員希望欄にお名前を書いた方でした。そのため、看護の臨床での問題については丁寧に説明する必要があるな、とひと目みて感じました。

 

そして面接が始まったのですが、研究計画を○分程度で説明してください、と言われました。正直自分はめっちゃ緊張していたので、指定された時間の半分も使えずに終わってしまいました。研究計画書を出しているので、既に読んでいただいた内容についてつっこまれるものと思っていました。そのため、事前に資料など読み込んでいたのですが、実際は自分の研究を再度喋り直すような形式が求められていたようです...。

ただ、研究対象や方法について面接官から掘り下げていただけたので、つっかえながらも自分の考えを述べることができました。

また、過去の卒業研究についても質問されました。大学院で行う研究内容とはまったく異なるのですが、自分の研究がどのようなものを目指していたのか、それのどこがアピールポイントであるのか、研究後になってさらに深く掘り下げた結果今ではやや不適切な点があるかもしれないことなど正直にお話ししました。

 

面接が進むうちに自分の必死さ(多弁?)に少し興味をもっていただけたようで、「広い知識をお持ちのように見受けられますが、看護をしながらなぜそのように他の分野のことを学ぼうと思われたのですか?」というような質問をされました。個人的には嬉しい質問でした(早口でまくし立てて面接は恙なく終了しました)。*3

 

4.受験の振り返り

1次試験で果たしてどれほど篩い落とされたのかはよくわかりません。英訳も難易度は低かったですし、論述に関しても大学受験よりレベルとしては低いです。なので、2次試験(というより研究計画)に重点を置いたほうがよいのだろうな、という印象でした。生活健康科学コースの出現は85名、合格者は44名でした。

とくに自分が時間をかけたのは、

  • 指導教員の傾向を知ること(専門分野とあまりにかけ離れたテーマを提出しても面倒を見られません)
  • 研究計画書(ネットにいろんなテンプレが落ちていますので参考に)
  • 志望理由書、研究計画書を自分の口で説明できるか(説明できる程度に自分自身に納得できているか)

といったところでした。簡単なことではあるのかもしれませんが、特に3番目に関してはむしろ入学後のために練った節もあります。院試はあくまでパスするためのもので、その後が本番だと思って挑みました(結果的に面接でめちゃくちゃ緊張して、結果がくるまで震えて待ちましたが)。

 

5.まとめ・放送大学の大学院進学をお考えの方へ

上記にあれやこれやと面倒くさいことをたくさん書いてきましたが、箇条書きにしますと、

  • 社会人をしながら(特に転居などの可能性をもちながら)研究するのに適しています
  • ただし、研究に慣れていない場合は準備に時間をかけたほうがよさそうです
  • 指導教員との一致(指定する場合は)を練る必要がありそうです(このポイントがのちにずれたために面接落ちした方をネット上で発見しました)
  • 事前に大学院の科目履修をすることができます
  • 1にも2にも3にも研究計画書です

 

しょうもないまとめになってしまいましたが、放送大学は他の大学と異なるのでややシステムが複雑です。

もしご興味があり、放送大学公式サイトを見ても情報が出てこないことがあれば、自分でお答えできることであればTwitterやこのブログでお返事ができるかと思われます。お気軽にお声かけ下さいませ。

 

長文を読んでいただき、ありがとうございました。

*1:自分は諸般の事情から、受験する旨をしたためたメール1通だけお送りしました。ただ、面接にあたってどこまで事前に相談してよいかわからなかったので、本当にただのあいさつ程度です。返信も不要の旨を記載し、ており、当日までやりとりはありませんでした。

*2:後にこの可能性はなくなりました、家庭の事情は酷なものです

*3:この件については今でも時折人から訊かれることもあり、せっかくなので別の記事を書こうと思っています。