1.日本のシビックエコノミー―私たちが小さな経済を生み出す方法(フィルムアート社編集部)
- 作者: 江口晋太朗,太田佳織,岡部友彦,小西智都子,二橋彩乃,紫牟田伸子,フィルムアート社編集部
- 出版社/メーカー: フィルムアート社
- 発売日: 2016/02/25
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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馬場正尊氏の『公共空間のリノベーション』とかなり似た形だけどこれはNPOがやっている事業にスポットしたかたちのもの。つまり場所ではなく活動そのものについての書き物。読み物としてかなり楽しいからぱらぱら読む程度でいいと思う 書いてあることの実際はかなり面倒くさいのでやろうと思うと大変だしこれ1冊で何かを学んだ気になると痛い目に遭うと思うけど、都市の片隅で何が起きているかを理解するのは楽しい。
2.図説 都市空間の構想力(東京大学都市デザイン研究室)
- 作者: 東京大学都市デザイン研究室,西村幸夫,中島直人,永瀬節治,中島伸,野原卓,窪田亜矢,阿部大輔
- 出版社/メーカー: 学芸出版社
- 発売日: 2015/09/04
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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ヤン・ゲールは都市空間におけるある一点の人間の滞留について書いてたけど、都市そのものとなると人間の対流が問題になる気がする。どれだけの人間が浮動しているかというか、まあそこでインタラクトがなければ意味がないので滞留に焦点を当てたのだろうけど。弘前の禅林街や小倉城址の周りの建築の発展とか、身近な都市の発展経路とかその目的がさくさく解説されて小気味よいです。
3.暴力の人類史 下(スティーブン・ピンカー)
これに関しては色々衝撃がありまして単独の記事を書きました。おすすめです。
4.現代建築家コンセプトシリーズ(5冊:長谷川豪、藤本壮介、藤村龍至、タクラムデザインエンジニアリング、安東陽子)
長谷川豪―考えること、建築すること、生きること (現代建築家コンセプト・シリーズ)
- 作者: 長谷川豪
- 出版社/メーカー: LIXIL出版
- 発売日: 2012/09
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藤本壮介|原初的な未来の建築 (現代建築家コンセプト・シリーズ)
- 作者: 藤本壮介,伊東豊雄,五十嵐太郎,藤森照信,メディア・デザイン研究所
- 出版社/メーカー: INAXo
- 発売日: 2008/04/15
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藤村龍至 プロトタイピング-模型とつぶやき (現代建築家コンセプト・シリーズVOL.19)
- 作者: 藤村龍至
- 出版社/メーカー: LIXIL出版
- 発売日: 2014/09/16
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『takram design engineering|デザイン・イノベーションの振り子』 (現代建築家コンセプト・シリーズ18)
- 作者: takram design engineering(タクラムデザインエンジニアリング)
- 出版社/メーカー: LIXIL出版
- 発売日: 2014/09/10
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安東陽子 テキスタイル・空間・建築 (現代建築家コンセプト・シリーズ vol.20)
- 作者: 安東陽子
- 出版社/メーカー: LIXIL出版
- 発売日: 2015/08/28
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1冊ずつではちょっと情報量的に不足があるかな、と思って今回購入した5冊を1冊換算にしてみました。建築に関しては色々思うことがあって、また別の記事にしようと思います。まだ書けていません。
5.氷河期以後 下-紀元前二万年からはじまる人類史-(スティーヴン・ミズン)
上巻読んでから結構な時間が経ってしまったのですがとうとう読み終えることができました。本としてかなり読みづらい、というか分厚くて大変です 地理学もしくは考古学に秀でていなければ難しいと思います(自分にはかなりきつかった)何故読み切ることができたかといえば、多分知覚に寄っていたから。
味覚、視覚、触覚、情景、ありとあらゆる知覚に沿ってものごとが書き添えられていくのは考古学だとか人類学にはなかなかない観点かなと思います。副題をつけるなら『知覚の人類学』か『葬礼と芸術の歴史』という感じ。
人間の知覚はいつの時代もあったはずで、そういう点においてダイアモンドの『銃・病原菌・鉄』で補いきれない部分を補填してくれたように思います。文化人類学に興味のある人、あるいは哲学の中でもレヴィ=ストロースとか読む人にはお勧めかも知れない。私はこれ読んで『野生の思考』読みたくなりました
6.人類のやっかいな遺産──遺伝子、人種、進化の歴史(ニコラス・ウェイド)
予想以上に不真面目な本だったので真面目に読んだ。『人種』の存在と経済的・学術的な発展の関係についてさくっと喋る本。なお要注意。めっちゃ読みやすいけど、あまり本を読まない人が読んで浅く鵜呑みにすると完全に恥をかく。本書で取り沙汰されるなかで私が読んだことがあるのはダイアモンド『銃・病原菌・鉄』とピンカーの『暴力の人類史』、マルクスの『資本論』だけだったけど、いずれも引用方法を誤っている。述べられているのはそのようなことではない、が、あえて人種というナンセンスな線引きに着目するのもアリだ。本をよく読む人や、論文を読み慣れている人にはちょっとだけオススメできる(読み物程度に)。それは人種という峻別方法のナンセンスさを改めて感じるために、という意味でだけど。結構面白いしすいすい読める、すいすい読めるからこそ危険。
7.八本脚の蝶(二階堂奥歯)
これはものすごく、自分にとってよい本でした。色々考えさせてくれました。
別に記事を書いています。
二階堂奥歯『八本脚の蝶』:生命への言祝ぎについてのあれこれ - 毒素感傷文
8.見えるものと見えざるもの(モーリス・メルロ=ポンティ)
見えるものと見えざるもの 〈新装版〉 (叢書・ウニベルシタス)
- 作者: モーリスメルロ=ポンティ,クロードルフォール,Maurice Merleau‐Ponty,中島盛夫,伊藤泰雄,岩見徳夫,重野豊隆
- 出版社/メーカー: 法政大学出版局
- 発売日: 2014/04/08
- メディア: 単行本
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科学は知覚の信憑を前提するものであって、これを説明するものではない
ドゥルーズ読んだときにも少し思ったんだけど、近代-現代思想においてこと観念的なものはかなり大きく転回しているし、著者の生きている文脈も変動していて読み込みにくい。以外と古典の方が観念には馴染みやすかったりする。特に情報網の発達に関してはマクルーハンの世代から180度くらい発展しているわけで、そう思うと1周回る前の古典のほうが親しみやすいのもやるかたなしという感じはある。ドゥルーズとかその少し前のメルロ=ポンティとかの思想が夢見た発展は1980-90年代にかけて一瞬で過ぎ去ってないか、と思うわけで。
サルトルのいう即自-対自存在に関する補講という感じで読むことができました。別に否定はしていないと思う(批判はしています)
メルロ=ポンティの絶筆だそうで、その後の構想だけの研究ノートがたくさんあるのが読んでいてたいへん面白い。シューベルトの交響曲7(8)番『未完成』みたい。その2つでもう完成しているような気もするし、続きが読みたいような気もするし。
見えるもの=表象、即自存在 見えないもの=対自存在、空間 とするのが正しいかどうかはわからないけど、イメージとしてはそのように読みました。『眼と精神』とかも読みたい。
9.ジョルジュ・バタイユの反建築―コンコルド広場占拠(ドゥニ・オリエ)
- 作者: ドゥニオリエ,Denis Hollier,岩野卓司,石川学,神田浩一,大西雅一郎,福島勲,丸山真幸,長井文
- 出版社/メーカー: 水声社
- 発売日: 2015/09
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バタイユが嫌いなのかニーチェが嫌いなのかわからないけどやはりあまり好きではないことを感じた。建築に関しても爛熟の時期があるように、哲学、特にペシミスティックな哲学に関しても爛熟の時期があると思う。バタイユに関しては自分の中ではその位置づけにあると思っていて、だから読むのが苦手で読んだことがない。けどバタイユについて論じた本を読んだからにはいつかバタイユも読まなければならない気がする。
10.コミュニケーションのアーキテクチャを設計する―藤村龍至×山崎亮対談集(藤村龍至)
コミュニケーションのアーキテクチャを設計する―藤村龍至×山崎亮対談集 (建築文化シナジー)
- 作者: 藤村龍至,山崎亮
- 出版社/メーカー: 彰国社
- 発売日: 2012/07
- メディア: 単行本
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ケアの概念に近い。これ1冊読んでどうにかなるわけではまったくないけど、いや楽しかった エンパワメントという言葉を建築のひとから聞けると思わなかったから。自分たちは仕事をしていると当たり前のようにエンパワメント、セルフエフィカシー、レジリエンスといった概念を扱うのだけども、よく考えたら建築関係の方には最後のひとつ以外はあまりなじみのないものなのではないかなという気がする。かなり発展的、というか。
もうちょっと、建築デザインにアプローチしていきたい気がする。