毒素感傷文

院生生活とか、読書の感想とかその他とか

日記

夜は短し歩けよ乙女

「あ、これはいい」というのは、森見登美彦の『四畳半神話体系』がアニメになったときから思っていました。あの空間に関する絶妙な感覚は映画では絶対にできないし、テンポ感も小説そのままだったから。今回観に行く機会があったのをとても嬉しく思います。 …

映画感想『ネオン・デーモン』『ロブスター』

ネオン・デーモン 映画『ネオン・デーモン』予告編 監督とか役者とか演出が誰かとかわたくしあんまり覚えることができないですしネタバレも勿論しません。なんというかアングラカルチャー系の映画ですが、好きでした。60席しかない映画館の、10席くらいしか…

影についての知覚 (0)

もうすぐ、働き始めて2年目が終わる。20代もなかばを過ぎて、後半に差し掛かった。いい時期だなあとつくづく思う。 諸々のことについて節目が来たように感じ、まとめを書いてみたいと思ったが、うまくまとまらない。なので、連載のような形式にしてみようと…

マッチングアプリとマッチング記

やり始めて1週目くらいのときの記事がこちら。 streptococcus.hatenablog.com というわけで、だらだら続けて2か月が経過したので、ここいらでまとめておこうとおもいます。というかもうあのアプリ辞めようと思いまして。 結論 実際に1度でもお会いする機会の…

魔都歩き、数個のプラトー

歩いて考えたことを全部ぶちまけていく。あまり人に伝わるように書く気がないのと、ひとまず自分を鎮めるためのものなので、読むつもりでいてくださるなら先にお伝えしておかねば。読みにくい文章ですみません。最近デザインについての本をよく読んでいるの…

男もすなるpairsというものを

女もしてみむとてするなり。 多少歪んだ動機ながらもマッチングアプリなるものをやってみた 自分は引きこもりのコミュ障である。なおbarとかにいくと威勢がいい(というかよく喋る)。つまり大多数になった途端に喋らなくなったり、場の維持に努めようと奔走…

不登校を振り返る

昨日居酒屋で、不登校の次男と大学生の長男を抱えるおっちゃんと飲んでいたので、ふとその時期のことを思い出した。主観的なつらさと客観的なつらさの両方があり、また家族との関係についても大いに悩んだ時期だったから、ちょっと振り返ってみようと思う。 …

ヌードモデルをやる。

まだ2回だけど、クロッキーの裸婦のモデルをやっています。珍しいんじゃないかな、と思って所感を書いてみました。 人の前で服を脱ぐということ モデルをする、というと聞こえのいいものだと思います。少なくとも、今の世の中では。承認欲求という言葉がスラ…

夏の名残の薔薇

タイトルは恩田陸の小説から。 今考えていることを、特に取り留めもなくつらつらと。 人の死が堪える、という話は以前からよくしている。人は死にに行く時、エネルギーを使う。自分自身のものも、他人のものも使って、死へと向かっていく。死へと邁進するに…

真珠のボタン

streptococcus.hatenablog.com 光のノスタルジア、そして真珠のボタンを観終わりました。 前回見た時点で出ていなかった答えが補われた気持ちがするので、もうひとつ記事にしてみようかなと。光のノスタルジアを観た前提で書いているので、真珠のボタン1作…

アングラ系コンテンツとの親和性

ふたつのことについてお話しようかと思いますが、相変わらず頭の中がとっちらかっているのでうまく文章にできる自信がない。 アングラコンテンツについて考えるきっかけになったもの 「氷の花火 山口小夜子」予告編 観てきました、先日。良かったです。 実は…

京都中毒

京都に中てられた。 急性京都中毒 いっとき鳴りを潜めていた京都中毒症状が芽を出した。京都を多量に摂取しすぎたのである。 とかいうどうでもいい話はよして、京都京都京都と京都について考えすぎた或る日常についてゲロみたいに吐き出しておこうと思う。と…

老いて枯れゆく花の美しさ哉

それは圧倒的な存在感でした。今日撮ったどの花よりも美しかった。 老いるということ 老いは恐れを伴うなあ、と思ったのはつい先日。 私たちは老いることから逃れることができません。老いは人から自信を奪い、美しさを奪い、経済力や体力や気力を奪います。…

青く褪めた室内でかつてわたしは絶望していた。

またひとりがたりでもしようかな。 ▼ 高校生になって、ようやくもらった一人部屋は北向きで、小高い山の斜面に面してひどく寒い部屋だった。 それでも初夏の風を通せば涼しく、日は一切差さないものの青く冴え冴えとした新緑が目を射抜いた。私はあの部屋が…

リップヴァンヴィンクルの花嫁

rvw-bride.com まだこれについてしゃべるには、口が、重い。 相変わらずネタバレはしないというか本編には触れない自分語りになりますが、映画の重要なテーマに触れている可能性があるのでお気をつけて。 ▼映画そのものについて ①時間 結構長いです。3時間…

響け!ユーフォ

アニメの方を見終えましたので、昔の吹奏楽部員として色々思ったことをつらつら書いておこうと思います。なおネタバレはせず、感想文の類でもないことを先に申し添えておきます。 ▼先に自分のスペックを述べておく 音楽の習い事は小さい頃のリトミックのみで…

夜のピクニック(mixi:20160427)

夜勤明けの昨日、おかずを作っていって河原でご飯を食べておりました。 天気が良くて、夜10風も暖かかった。今日は雨。 ▼ 恩田陸の『夜のピクニック』は、男女のグループがひとつずつ暴露話をするという彼女らしい作風です。修学旅行がさる出来事から中止に…

さらにさらに深く潜る

感情を遡及していく。 ▼ 自分の内側に湧出する感情に、そして感覚にどっぷり浸かる時間がないと、多分生きていけないだろうな、という実感は抑うつを経て手に入れたと思っていたのだが。ここ最近はそんな猶予も与えられず、気づけば消費するばかりになってい…

感傷を鑑賞する -mixi日記から

まともに日記書いてないな最近。 ▼ 忙しい合間にもぼちぼち人とは会う。 むしろ人と会わないときはずっとひとりで歩いたり写真撮ったりしていたから、やっぱり基本的にいつもひとりなのだと思う。仕事のとき以外はほとんどしゃべらない。 いつも黙って何か考…

散逸する思考の書き留め

SNSでは大概人の思考を借りる。正確には人から思考の題材を借りて自分でこねこねするんだけど、このこねこねだけをしたいときはいつも題材を借りてくる。 けどたまに思索していると自分から題材が出てくることがあって、そういうときは仕方なく自分だけの…

春を患うキャベツの讃歌

春はひとつの病いである。 花が咲き、空気はぬるみ、春霞、命はひらき全てのひとが春を言祝ぐ。 だから私は春がとても苦手だ。途轍もなく苦手だ。 春が厳然として立ちはだかるのを呆然として眺めている。いつも。そして新緑の初夏が訪れるまでを、気が狂った…

春ボケ男子大学生

春の麗らかな陽気が煙って困り果てている。 隣に座っているのは華奢な女で、表に出る髪だけを金髪に、内側だけを暗めの茶色に染めていた。器用な美容師だ。この手法をなんというのかは知らない。女はその髪をゆるい縦巻きにして、崩したシニョンに結い上げて…

自意識の/沼に沈んで/シニシズム

別に一句読みたかったわけでもなんでもないのですが。 意識と自意識の隔たりを感じて 仕事以外で人としゃべる機会がめっきり減りました。 かつ、その限られた機会でさえほとんどが好んだ人との会話であり、好まざる会話をもたない場合、ほとんど自分の口から…

歩きながら考えたことや考えなかったこと

選択は人を消耗させる 本屋にふらりと入ったら、あっという間に時間が経っていた。 何かを選択するというのは、人を消耗させる、と思う。 特に本屋はそうだ。 同じ紙媒体ということで図書館と較べてみよう。図書館には、選ばれても選ばれなくても本がある。…

閉塞して歪む、正統派でない感性について

昨日酔っぱらって口から零れた、ある一言が自分の頭の中に残っていたので。 「寄り道した人って、なんで魅力があるんでしょうね?」 正統派でない余剰のなにかが豊かにしてきたもの 思えば中学くらいから正統派というものからどんどん筋がずれていった。 そ…

義理チョコとしての感情/愛情

暫く『愛情とは』『感情とは』という話題をTwitterのタイムラインで見ていて考えたことをまとめておきましょう。 駆け出しながらも専門職者なので、自分の技術をそう安く売るのはどうかと思ったりしました。しかもこれは完全に個人の見解ですので、そ…

私はどこからきたのか 何者で、どこへいくのか

挫折とはなにかわからないけれども、経緯を書こうと思う。 ▼自傷について 自傷行為を長期間やめられずにいた。 最初は、ネットの世界でそういう行為があるのを知った。いや、親友がそういう世界に私を引き込んだのと思う。 どこか退廃的で耽美な世界に惹かれ…

D'où Venons Nous Que Sommes Nous Où Allons Nous

我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか - Wikipedia 何故タヒチなのでしょうか。 何故フランスではなく、わざわざタヒチを描き、そしてそのタイトルなのでしょうか。 タヒチという土地を勿論私は知らない。太平洋にある島国ということし…

性格検査受けてみた

1ヶ月ほど、めちゃくちゃしんどかった気がします。合間にもぼちぼち写真撮ったりはしていましたし生活していた痕跡はあるのですが、ほとんど記憶がない。 忙しかった(忙殺されていた)というよりは、精神的な余裕がなかったという方が正しい。 ▼性格検査の…

無駄に洗練された無駄のない無駄な動き

昔ニコニコ動画が全盛期だったころ、このタグなかなか秀逸だったと思います。 ▼身体表現としての仕事 仕事をする人の体捌きが相当好きだと気が付きました。 正確には見られることを意識した体の動きと言いますか。 舞踊なんかは身体表現としてのツールである…