毒素感傷文

院生生活とか、読書の感想とかその他とか

2016-01-01から1年間の記事一覧

私たちにとっての、象徴としての『がん』について

病の皇帝「がん」に挑む ― 人類4000年の苦闘 上 作者: シッダールタ・ムカジー,田中文 出版社/メーカー: 早川書房 発売日: 2013/08/23 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (14件) を見る 病の皇帝「がん」に挑む ― 人類4000年の苦闘 下 作者: シッダール…

意図を編む

私たちの業界の教育に関するお話し。 縦軸と横軸に関すること 実習による縦軸の教育 働き始めると、実習生がくる。 実習生がくると、1年目だった自分たちよりも時折ずっと深く本人の情報を得ることができ、また本人に必要な計画を綿密に練る時間があること…

光のノスタルジア

チリのドキュメンタリー作家が手掛けた2作!映画『光のノスタルジア』『真珠のボタン』予告編 まだ擦れ合うスプーンの音と、巨大な望遠鏡が音を立てて動く音が聴こえるような気がする。 ▼ 恥ずかしながら私はチリの歴史をほとんど知らない。 乾いた気候と高…

アングラ系コンテンツとの親和性

ふたつのことについてお話しようかと思いますが、相変わらず頭の中がとっちらかっているのでうまく文章にできる自信がない。 アングラコンテンツについて考えるきっかけになったもの 「氷の花火 山口小夜子」予告編 観てきました、先日。良かったです。 実は…

京都中毒

京都に中てられた。 急性京都中毒 いっとき鳴りを潜めていた京都中毒症状が芽を出した。京都を多量に摂取しすぎたのである。 とかいうどうでもいい話はよして、京都京都京都と京都について考えすぎた或る日常についてゲロみたいに吐き出しておこうと思う。と…

老いて枯れゆく花の美しさ哉

それは圧倒的な存在感でした。今日撮ったどの花よりも美しかった。 老いるということ 老いは恐れを伴うなあ、と思ったのはつい先日。 私たちは老いることから逃れることができません。老いは人から自信を奪い、美しさを奪い、経済力や体力や気力を奪います。…

わたしが医師でも薬剤師でもなく看護師だったのは単なる偶然からである

タイトルの通りの日記をちょいと書いておく。 私の経歴、というかこの職を選ぶに至った理由はバックナンバーにあるから、それを参照していただきたい。 結構適当な理由だし、けれど深刻に悩みもしつつ慎重に足を踏み入れた。 そして勉学するなかでよく言われ…

青く褪めた室内でかつてわたしは絶望していた。

またひとりがたりでもしようかな。 ▼ 高校生になって、ようやくもらった一人部屋は北向きで、小高い山の斜面に面してひどく寒い部屋だった。 それでも初夏の風を通せば涼しく、日は一切差さないものの青く冴え冴えとした新緑が目を射抜いた。私はあの部屋が…

利己的な遺伝子は就職活動生にオススメしようとおもう。

利己的な遺伝子 <増補新装版> 作者: リチャード・ドーキンス,日高敏隆,岸由二,羽田節子,垂水雄二 出版社/メーカー: 紀伊國屋書店 発売日: 2006/05/01 メディア: 単行本 購入: 27人 クリック: 430回 この商品を含むブログ (188件) を見る 正直感想文ほど苦手…

リップヴァンヴィンクルの花嫁

rvw-bride.com まだこれについてしゃべるには、口が、重い。 相変わらずネタバレはしないというか本編には触れない自分語りになりますが、映画の重要なテーマに触れている可能性があるのでお気をつけて。 ▼映画そのものについて ①時間 結構長いです。3時間…

響け!ユーフォ

アニメの方を見終えましたので、昔の吹奏楽部員として色々思ったことをつらつら書いておこうと思います。なおネタバレはせず、感想文の類でもないことを先に申し添えておきます。 ▼先に自分のスペックを述べておく 音楽の習い事は小さい頃のリトミックのみで…

夜のピクニック(mixi:20160427)

夜勤明けの昨日、おかずを作っていって河原でご飯を食べておりました。 天気が良くて、夜10風も暖かかった。今日は雨。 ▼ 恩田陸の『夜のピクニック』は、男女のグループがひとつずつ暴露話をするという彼女らしい作風です。修学旅行がさる出来事から中止に…

マジカル・ガール

途中からネタバレを含みますがそれまではちゃんと紹介します。 映画『マジカル・ガール』予告編 映画『マジカル・ガール』公式サイト -- Introduction -- うんまぁ・・・配給会社bitters endって時点で大体わかりますね。 暗いです。とっても。 というかスペ…

さらにさらに深く潜る

感情を遡及していく。 ▼ 自分の内側に湧出する感情に、そして感覚にどっぷり浸かる時間がないと、多分生きていけないだろうな、という実感は抑うつを経て手に入れたと思っていたのだが。ここ最近はそんな猶予も与えられず、気づけば消費するばかりになってい…

感傷を鑑賞する -mixi日記から

まともに日記書いてないな最近。 ▼ 忙しい合間にもぼちぼち人とは会う。 むしろ人と会わないときはずっとひとりで歩いたり写真撮ったりしていたから、やっぱり基本的にいつもひとりなのだと思う。仕事のとき以外はほとんどしゃべらない。 いつも黙って何か考…

散逸する思考の書き留め

SNSでは大概人の思考を借りる。正確には人から思考の題材を借りて自分でこねこねするんだけど、このこねこねだけをしたいときはいつも題材を借りてくる。 けどたまに思索していると自分から題材が出てくることがあって、そういうときは仕方なく自分だけの…

社会人生活記 -いちねんめ編

社会人になってもうすぐ1年経つので、記録しておこうかなと思う。 社会人1年目というカテゴリにおいて 正直、1年もつと思わなかった。どうせつらくなって退職というか休職に追い込まれるのではないかと思っていた。事実、同期は休職のうえ年度末で退職と…

春を患うキャベツの讃歌

春はひとつの病いである。 花が咲き、空気はぬるみ、春霞、命はひらき全てのひとが春を言祝ぐ。 だから私は春がとても苦手だ。途轍もなく苦手だ。 春が厳然として立ちはだかるのを呆然として眺めている。いつも。そして新緑の初夏が訪れるまでを、気が狂った…

春ボケ男子大学生

春の麗らかな陽気が煙って困り果てている。 隣に座っているのは華奢な女で、表に出る髪だけを金髪に、内側だけを暗めの茶色に染めていた。器用な美容師だ。この手法をなんというのかは知らない。女はその髪をゆるい縦巻きにして、崩したシニョンに結い上げて…

自意識の/沼に沈んで/シニシズム

別に一句読みたかったわけでもなんでもないのですが。 意識と自意識の隔たりを感じて 仕事以外で人としゃべる機会がめっきり減りました。 かつ、その限られた機会でさえほとんどが好んだ人との会話であり、好まざる会話をもたない場合、ほとんど自分の口から…

歩きながら考えたことや考えなかったこと

選択は人を消耗させる 本屋にふらりと入ったら、あっという間に時間が経っていた。 何かを選択するというのは、人を消耗させる、と思う。 特に本屋はそうだ。 同じ紙媒体ということで図書館と較べてみよう。図書館には、選ばれても選ばれなくても本がある。…

閉塞して歪む、正統派でない感性について

昨日酔っぱらって口から零れた、ある一言が自分の頭の中に残っていたので。 「寄り道した人って、なんで魅力があるんでしょうね?」 正統派でない余剰のなにかが豊かにしてきたもの 思えば中学くらいから正統派というものからどんどん筋がずれていった。 そ…

義理チョコとしての感情/愛情

暫く『愛情とは』『感情とは』という話題をTwitterのタイムラインで見ていて考えたことをまとめておきましょう。 駆け出しながらも専門職者なので、自分の技術をそう安く売るのはどうかと思ったりしました。しかもこれは完全に個人の見解ですので、そ…

私はどこからきたのか 何者で、どこへいくのか

挫折とはなにかわからないけれども、経緯を書こうと思う。 ▼自傷について 自傷行為を長期間やめられずにいた。 最初は、ネットの世界でそういう行為があるのを知った。いや、親友がそういう世界に私を引き込んだのと思う。 どこか退廃的で耽美な世界に惹かれ…

なぜ、看護なのか。

我々はどこからきて、何者なのか、どこへいくのか。 1)やむをえず。 看護学校にきてしまったのは、やむをえずだった。 ①うつだったから 高校生のとき、うつになってしまった。一応診断名をもらったりもしたけれど、まあ、あまり意味のないものかなあと思っ…

ヴィオレット-ある作家の肖像-

これらは評論でもなく、紹介でもなく、考えさせられたことの書き留めに過ぎません。 時にネタバレのような要素を含むかも知れませんし含まないかも知れません。 『ヴィオレット』-ある作家の肖像- http://unifrance.jp/festival/2015/films/film08 unifrance…

D'où Venons Nous Que Sommes Nous Où Allons Nous

我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか - Wikipedia 何故タヒチなのでしょうか。 何故フランスではなく、わざわざタヒチを描き、そしてそのタイトルなのでしょうか。 タヒチという土地を勿論私は知らない。太平洋にある島国ということし…