1.デザイン学-思索のコンステレーション(向井周太郎)
デザインの哲学、という感じ。
今まで哲学から形而上学的アプローチをしていたものの、反対側からとなると結構違和感ありました。視座、地図、地勢図としてのデザインを俯瞰すること。でも哲学に慣れるとやっぱりなんか気持ち悪かったです
記号学のパース、脱構築主義のデリダについてもっと知っておいた方がよかったのかも知れません
2.森は考える-人間的なるものを超えた人類学(エドゥアルド・コーン)
これもわりと言語学というか音声学みたいなものが出てくる話やったなと思います 森そのものを表現する音声があったりする部族の話とかが出てきます。
最近見たドキュメンタリー映画で『真珠のボタン』というものがあるのですが、あれを彷彿とさせます。
3.服従の心理(スタンレー・ミルグラム)
面白かったです。なんというか実験できる社会心理学のなかでは相当えげつない部類だと思うのですが、権威に対して服従し暴力を振るうことの心理について分析した本。
色々怖い。
4.環境デザイン講義(内藤廣)
この環境は、地球環境とかではなくて光や熱といった要素としての環境をデザインすることについての講義です。先に読んだ形態デザイン講義の、前のもの。
熱、光、風あたりの要素についての分析がことに面白かったです
5.ヴィジュアル版『決戦』の世界史-歴史を動かした50の戦(ジェフリー・リーガン)
こちらはわりと戦術についての歴史的事実を描いたもの。悔しいのは中国史があまり出てこないことですかね…。
ザマの戦いとかが出てくるのは好きなんですが中世が特に弱いので正直ちんぷんかんぷんの戦いもちらほら。でも芸術史に残る絵画の中には決戦を描いたものや将軍、皇帝の肖像が多いのでそういうのが解説つきで見られるのはよかったです。
6.殺戮の世界史:人類が犯した100の大罪(マシュー・ホワイト)
『暴力の人類史』に並ぶ名作やなと思いましたです。歴史の順に並んでいて、死者数別にランキングづけられ、その虐殺ないし戦闘が起こった理由とその後の動向について簡潔に書かれていて、なんというか世界史を復習し直す気持ちで読めました。こちらは文字通り世界がテーマなので、中国史も日本史も入ってきます。ピノチェト政権、ポル・ポト、文化大革命、スターリンの圧政からツチ族とフツ族の戦闘まで。わりと近代のほうが興味をもって読めました。
7.8.怒り 上・下(吉田修一)
この本を読み終わった後に、映画を観にいきました。本だけを読んだ感想としては、ああ、やるな、という感じです。信じることって難しいなと思いますし、信じさせることもまた、誠実であればあるほど難しいんかなと考えさせられたり、遣る瀬無くなったり。
吉田修一好きなんですが、大体読んだ後遣る瀬無くなるんですよね。好きです。
9.死(ウラジーミル・ジャンケレヴィッチ)
- 作者: ウラジーミル・ジャンケレヴィッチ,仲澤紀雄
- 出版社/メーカー: みすず書房
- 発売日: 1978/03/06
- メディア: 単行本
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芸術、人文、哲学、全部かき集めて死を表現しようとしたかのような本でした。死とはなにか、どのように定義されどのような文脈で語られ個人にとってどのような経験であり、遺されたものにとってなんであり逝くものにとってなんであるか、というはなし。
フランクルよりは実存よりずっと現象学に近い感じがしますが、基本的にはロゴセラピー的な側面を持っています。老化について書かれていたのがよかった。
10.構造デザイン講義(内藤廣)
素材と構築について語る講義。これが3連の本の1冊目です。最後に読みましたが。
メディアとしてのコンクリート、という本を以前読んだのですが、その時にも感じた楽しさを感じました。好き。