読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

毒素感傷文

どうしようもなく感銘を受けてしまう日々のあれこれについて。

100冊読破 2周目(1-10)

1.こころの処方箋(河合隼雄) 

こころの処方箋 (新潮文庫)

こころの処方箋 (新潮文庫)

 

古本屋で買ってそのままになっていたもの。物事の捉え方、処理の仕方について色々書かれているけど、自己啓発系の本と違うところはそこに『こうすると、こうなる』という利益がないことだと思う。利益じゃなくて、そこに語られたりすることによる深い癒しのようなものがあって、この人の本を読むといつもとても安心する。

 

 

2.ことり(小川洋子

ことり (朝日文庫)

ことり (朝日文庫)

 

久々の小川洋子作品。今回もよかったです。

彼女の作品は、悲しいとか、愛おしいとか、切ないとか、それそのものの言葉で決して語られないし、涙も流さないし、大笑いもしない。でもそこに激しい情緒があって、読んでいる人の内側にあるものと共振する。

 

 

 

3.リノベーションプラス 拡張する建築家の職能(松村秀一、馬場正尊、大島芳彦)  

リノベーションプラス 拡張する建築家の職能

リノベーションプラス 拡張する建築家の職能

 

写真が豊富で建築の外装内装ともに大好きな自分にはカタログとしても楽しめるような本でした。

部屋・建物の内装とか、その提示・展示の仕方とかリノベーションというかデザインの効果の面白さという感じで読みましたです

 

 

 

4.デザインのデザイン(原研哉

デザインのデザイン

デザインのデザイン

 

無印良品の話がむっちゃ楽しかった。原研哉氏の本初めて読んだのですが、読みやすいのに書いてある内容はしっかりしていて本当に驚かされます。こうも易く、硬い話題を理解させられるものなんだなあと思って。

特に愛知万博のくだりは面白かったです。『誰のためのデザイン?』はノーマンの本ですが、副題をつけるなら『なんのためのデザイン?』という感じです。コミュニケーションデザインからプロダクトデザインまでを網羅的に扱っている本。おすすめ。

 

 

 

5.エリアリノベーション:変化の構造とローカライズ(馬場正尊)

エリアリノベーション:変化の構造とローカライズ

エリアリノベーション:変化の構造とローカライズ

 

この人の本をいっときいくつか読んだのですが、これもなかなか血湧き肉踊る話でした。表現がおかしいか。でも興奮します。特に、地域再生のカテゴリにおいては。

偶然にも自分はこの本に出てくる福岡県の小倉と広島県尾道に行ったことがあるのですが、あれら地方都市の魅力は抗し難いものがあむて不思議に思ったものです。

特に尾道についてはちょうどそのリノベーションの結果である空き家を補修した家に宿泊したので余計に。地域の特性を読んで、文脈を崩さずにそこを集客力にするための具体的な実践の軌跡の本。おもしろいです。写真もいっぱいある。

 

 

 

6.PUBLIC DESIGN 新しい公共空間の作り方(馬場正尊) 

PUBLIC DESIGN 新しい公共空間のつくりかた

PUBLIC DESIGN 新しい公共空間のつくりかた

  • 作者: 馬場正尊,Open A,木下斉,松本理寿輝,古田秘馬,小松真実,田中陽明,樋渡啓祐
  • 出版社/メーカー: 学芸出版社
  • 発売日: 2015/04/10
  • メディア: 単行本
  • この商品を含むブログ (3件) を見る
 

これ結構好きでした。ただ実験的側面も大きいなーと思います。武雄市図書館のTSUTAYA導入とかも後の方に出てきます。

公共スペースの新しい使い方にあたって、どういう手法を使ってどういう役割の人間がいて…という、これも実践の軌跡を書いた本。構想から実現まで。

 

これよりはRE PUBLICという、先の100冊読破中に読んだ本の方が易しいかも知れません。

刺激的。

 

 

 

7.網状言論F改-ポストモダン・オタク・セクシュアリティ東浩紀) 

ものはためしにと思って読んだのですがものはためし程度でした。なんというか、場に居合わせなければ意味がない対話。後から読んでもちょっと興醒め感はありました。

そもそもオタク文化についての語り口がちょっと甘いかなあというところにオタクのセクシュアリティという接続不能なものを接続してしまっているので取り扱えないものについて語ってしまった感がある。読み物としてはまあ軽くてよいです。

 

 

8.情念・感情・顔 コミュニケーションのメタヒストリー(遠藤知己) 

情念・感情・顔 「コミュニケーション」のメタヒストリー

情念・感情・顔 「コミュニケーション」のメタヒストリー

 

予想外の中身でびっくりしながら読みました。最早読んだとはいえん。

『コミュニケーションに至る前夜』という感じです。中世におけるコミュニケーション論から始まるので宮廷論がどうこういう話から始まってもう完全に目が点になって300ページくらい放心状態で読んだのですが、後半300ページ余は美学や観相学によるものとその批判だったので少しは読めました。めっちゃ難しいです、未消化感半端ではない。

 

 

 

9.京都と近代: せめぎ合う都市空間の歴史(中川理)

京都と近代: せめぎ合う都市空間の歴史

京都と近代: せめぎ合う都市空間の歴史

 

気になる本は大体鹿島出版会

 

以下ツイート引用です

 

『京都 影の権力者たち』という本を以前読んだのですが、あれと併せて読みたい本でした。『京都と近代』自体は近代都市政策・建築・土木からのアプローチなんですが『影の権力者たち』は文化圏からのアプローチなんですよね。で、今回の本に関しては20世紀前半のことについてがメインなんですが、実際京都には洋風の建物っていっぱいあって、その多くがアールヌーヴォーの様式に則っているのです。モダンへのなめらかな移行がポスト・モダンへの入り口やったんかなという気もしますし。住んでいると今でも京都という都市の代謝を感じることができて気分がよいです

 

 

 

10.公共性の構造転換-市民社会の一カテゴリーについての探求(ユルゲン・ハーバーマス) 

公共性の構造転換―市民社会の一カテゴリーについての探究

公共性の構造転換―市民社会の一カテゴリーについての探究

 

公共空間のリノベーションとか読んでいて気になったので読みました。めちゃくちゃ真面目な本でした。中世の終わりから近代にかけての思想の転換、神学から倫理学への禅譲が最初に書かれていて、そもそも公共をかたちづくる大衆のあり様についても真面目に説明されていて実に良かったです。そんなに消化できとはいえんのですが、都市論における教科書的存在になりそう。