毒素感傷文

院生生活とか、読書の感想とかその他とか

2019年度前期授業評・結果と院試準備

授業評と結果

今期の目玉は情報系科目が多かったことです。前年度中に登録しましたので、まだ前職に在職するつもりだったのもあり、ゆとりのある科目編成にできませんでした。

 

情報コースー計算科学関連科目

計算の科学と手引き('19)ーB

エキスパートプラン『計算機科学の基礎』を意識して選択した科目です。必修です。

導入科目なのですが結構なボリュームですし、試験もほどほどに難しいです(私にとっては)。あと持ち込み禁止。前年度までの「計算事始め('13)」の後継科目です。新しい年度で出題傾向がわからない可能性はありましたが、教科書の内容がほぼ同じであろうことから過去問も計算事始めのものを使ってぼちぼち対策しました。実際よく似ていたかなという印象があります。

 

授業概要はシラバス通りですが、アルゴリズムとプログラミングの基礎になる部分を履修します。自分が受けた中では、「デジタル情報と符号理論('13)」(現在は「情報理論とデジタル表現('19)」が後継科目です)にもっとも近かったです。符号理論よりももっと「数」と「計算」の性質に寄せた感じです。教科書としてよくできているなあという印象でした。ちょうどPythonをやり始めたところでしたので、双方に理解が深まりました。

 

コンピュータの動作と管理('17)ーC

これもエキスパートプラン『計算機科学の基礎』の必修科目です。が、この科目にかける時間はあまりありませんでした(入門微積自然言語処理、計算の科学に吸われた)

これは!!わたしには難しかったです!!!

あと試験会場で今期試験を受けていたのは私ひとりでした…孤独…衝撃のひとり…

コンピュータに関する信号について物理またはハード面から学ぶ科目です。

仮想OSとか、繁忙待機とか今までどうなっているかわからなかったものの「なんかメリットはあるんだろうな…」と思っていた諸々の中身がわかる科目でしたがいかんせんまったく慣れ親しんだことのない知識なので、勉強に苦労しました。情報コースの専門科目で、持ち込みは禁止です。

 

自然言語処理('19)ーB

最初は『計算機科学の基礎』の選択科目のために取ろうとしたのですが、もともと言語学やプログラミングに興味があったこともありこの科目は力を入れたいと思ってとりました。

 

試験は結構エグかったです(もちろんやりこめばいくらでも対策はできます)。もちろん持ち込み禁止でしたし、19年度に刷新された科目なので特に参考にするものもありませんでした(15年度の過去問は意識しましたが)。また、言語学の基礎を理解できていればまだしも、自主的に本を何冊か読んで輪郭を独学した以外は放送大の科目『新しい言語学』くらいしか頼りになる授業がありませんでした。徒手空拳のようなものでしたが、これも時間を割いて勉強したこともありなんとか単位は取れました…

 

これとは別に趣味の範囲でオライリーの『入門自然言語処理』を使ってPythonで遊び始めていたので、『計算の科学と手引き』同様に相補的な学びとなりました。

それから、自然言語処理を本格的に学ぶにあたりこの教科書はかなりいい参考本になるとのコメントをいただきました(他大学の自主ゼミで使われていたようです)。敷居は高いですがやる意義は大きいと思います。

 

人文コース科目

新しい言語学('18)ーA◯

今回2科目しかなかった持ち込み可能科目です…!

特に目的があったわけではなく、気になる科目が試験日程に合致していたのでとりました。結果論ではありますが、自然言語処理の素地になる勉強をたくさんできてよかったです。

言語学といっても心理言語(認知言語)的な側面も多く、非常にバランスのとれた教科書であったと思います。

 

現代フランス哲学に学ぶ('17)ーB

持ち込み可、その②です。哲学は完全に趣味でとっています。

特に、以前よりベルクソンメルロ=ポンティにもともと深い興味があったのでいい勉強になりました。現代の思想をベルクソンとの対比によって説明していくのですが、自分がドゥルーズデリダフッサールメルロ=ポンティに少し触れたときに感じた「ベルクソンが源流では?」という疑問に合致していてとても学びやすかった印象があります。あとハイデガーをもう少しやるべきという気持ちになりました。

また、日本の哲学には詳しくないのですが、西田幾多郎との対比もありました。単位をとったとて何を理解したとも言えませんが楽しいです。

 

現代の危機と哲学('18)ーB

個人的には結構クセが強いなと感じた教科書でしたが、ニーチェフッサールで問題提起をしたあとにハイデガーアーレントを出して近現代の学問の社会的状況も考察しつつ、それぞれの思想を説明します。それぞれの哲学者の時代ごとの思想的背景もよく学べるので、とっつきにくいなあと思う部分にこそよい教科書と言えましょう。

いきなり東日本大震災の話から始まるのはちょっとだけ面食らいますが、教科書としてのまとまりはよいと思います。

 

生活と福祉コース

看護管理と医療安全('18)ーA◯

さすがにこれは目を瞑っても解けるレベルでないと困る。

学位の取得のため、最低1科目は看護領域から取らないといけなかったので取りました…

 

社会保険のしくみと改革課題('16)ーC

昨年不勉強で落としてしまったのの続きです!今回は大丈夫でした。

これも看護の学位のためにとりましたが、福祉関係は(落としてしまったことからもわかるように)かなり弱いのでやり直しをできてよかったです。

 

自然と環境コース

入門微分積分('16)ーB

きいてください!!!!とりました!!!今期はとりました!!!!!!

今回の試験の中でもっとも時間をかけて(おそらくほかのすべての科目に費やした時間を上回る)勉強しました…全然わからなかったので…前の職場にいたら確実に通らないままだったと思います。試験前の1か月は少ないときで0時間、多いときで4-5時間/日くらい勉強していました。平均するとたぶん1時間くらいになると思うんですけどね...

自分は高校のとき数学でほとんど微分積分をやっていない(というか白目を剥いていたから覚えていない)ので、大学初年次程度までの数学となると逆立ちしてもできないのです。『数学ガールの秘密ノート』の『微分』と『積分』を読んで、心的ハードルを下げて臨みました…。放送授業を聞けばよかったのですが、生活が一変したのもあって気ぜわしく、結局そんな時間を取れませんでした(不勉強め)。

教科書をある程度読んで(わからないところにそこまでこだわらず)、演習問題のAと場合によってはBの一部くらいまで解けるように教科書であったり公式を使う練習をしていきました。なので、試験も持ち込みたいなと思うくらいでした...いや理解がないからそういうことを言ってしまうのですが...。

 

あと勉強にあたってはWeb上の公式集とかもめちゃくちゃお世話になりました。

mathtrain.jp

自分は三角比とか三角関数、指数関数対数関数から思い出さなければならなかったのでもっと基礎の基礎のサイトも参照しましたが、ここにも載っているので、あれこれ悩んでしまいそうであればここだけでよいと思います(難易度も書いてありますし)。

 

 

社会と産業コース

マーケティング論('17)ーD(不合格・再試験)

ほかの科目にかまけて見事に落としました。難易度としては特に難しくはいと思います(じゃあ落とすなよという話ですが...)エキスパートプラン『データサイエンス』の必須科目のためにとったので、当然来期も続けます。

 産業系なぜか苦手だな(『産業とデザイン('12)』も落としたことがあります)

法学入門('18)ーE(不合格・再試験)

これも興味本位で取った科目なんですが、完全に学習が後手に回ってしまいました。「入門」なので、法の持つ「性格」のようなものを題材にしています。慣習法、国際法、法の導入のなりゆき、等々...章のはじめのほうがイスラム法とか古い中国法(法家とかから始まる)のでウワッと思われるかもしれませんが私のように不勉強でなければ特に問題ない科目かと思われます。

 

来期の科目

情報系科目

数値の処理と数値解析('14)・データの分析と知識発見('16)

この2つはエキスパートプラン『計算機科学の基礎』と『データサイエンス』のためのものです。いずれも持ち込み可なので、ぼちぼち取り組もうと思います。試験問題をざっと見た感じも面白そうです。

『計算機科学の基礎』は上記2科目に加えて下記の『入門線形代数('19)』が通れば取得です。

『データサイエンス』に関しても、上記2科目に加えて落としてしまったマーケティング論が通れば残りは必修の『データベース('17)』のみです。今回は『入門線形代数('19)』とかぶってしまうので見送りました。

 

自然科学系科目

入門線形代数('19)

『入門微分積分('16)』と並んで、エキスパートプラン『社会数学』の必修科目です。しかしながら、『社会数学』はあの微積をできないととれないなんて数弱にとっては鬼畜やな...と思います(数学って書いてあるやろが)

線形代数微積も、プログラミングでデータ解析やりたいナ~という御仁には必修科目であることが自分の周囲のありとあらゆる人の口から発せられていたので、エキスパートプランのカリキュラムってよくできているのだろうなあと思う次第です。

 

試験問題を見ているとそこまで難しくはなさそうでしたが、試験スケジュールをカツカツにしなくてもよくなったので存分に準備して取り組みます。

あとこれのために未読の数学ガールの秘密ノートシリーズが『ベクトル』『数列』『行列(未購入)』と控えています。遊んでいこう。

 

人文系科目

経験論から言語哲学へ('16)

哲学は趣味です(真顔)。現代フランス哲学と現代の危機と哲学(ドイツ哲学系)が終わったので、イギリス経験論から英米分析哲学に至る道のりを歩もうと思います。

余談ですが、ここ2年ほどをかけて有志の『知覚の哲学入門』(ウィリアム・フィッシュ著)を読む会に参加しています。

分析哲学の理解を深める意味でも、この科目は楽しみにしていました。持ち込み可。

 

福祉系科目

社会福祉と法('16)

これで看護の学位のための科目は終了です。福祉系科目と法についてはある程度興味があったので、関連科目の中でもマシなものをと思って探しました。

試験は持ち込み可っぽいのでまったり準備をします。

 

産業・社会系科目

教育社会学概論('19)・経営情報学入門('19)

いずれも新規科目です。特に何のためということもなく、興味本位でとります。

再試験:法学入門('18)・マーケティング論('17)

ノーコメント(頑張りましょうね...)

 

面接授業

心理学実験2

昨年度取ろうとしていたのですが、私事で忙しく都合が合わなかったのでやっと取り直しです...

 

所感:前年度までの状況と較べて

病棟看護師としてフルタイム・夜勤ありの仕事をしながら教養学部全科履修生を2年かけて卒業しました。家庭と自分の都合で年度末で離職し、今年度からはクリニック・パート勤務というなんとも気の抜けた(といってはいけませんが)環境になっております。

そのため、昨年度まで謳っていた「フルタイムワーカー・放送大編入チャレンジ」は終わってしまいました。

けれど、お陰で高校のときの記憶がほとんどないような微積もとれましたし、楽しみにしていた計算機系の知らない分野にも飛び込むことができています。自分の中では大学生活も含めて相当に満足いく結果となったといえますが、仕事が楽になった分「うまくやらなければ...」というプレッシャーも相当のものでした。

それから、後述しますが、大学院全科履修生の出願用紙を本日提出してまいりました。受かっても落ちても、その様子はまた記事にしたいと思っています。

 

来期以降の見通しについて

学位・資格関連

看護(学士)・来期で条件を満たす

前年度で科目を取りきれたらよかったのですが、試験時間かぶったり単位落としたりすったもんだあったお陰で長引いてしまいました。ようやく来期で科目を取り終えます。

学位授与機構から資料を取り寄せねばならないのですが、これで学修成果のレポートを提出すると学位審査に臨めることになります。院試・大学院生活を優先する予定なのでぼちぼちですが、放送大学で準備できる要件は満たすことになりそうです。

認定心理士・来期で条件を満たす

面接授業以外の必要科目は去年のこの時期までに取り終えていたのですが、面接授業のこり1つだけがなかなか受けられずここまできてしまいました。

あとは面接を受けて、提出書式の様式を埋めて提出するだけですかね...

 

放送大学エキスパート

社会数学(最短で来期)

めっちゃうれしいことに今期微分積分その他の科目が通ったので、来期の『入門線形代数('19)』が終われば申請可能です。

計算機科学の基礎(最短で来期)

こちらも来期がうまくいけばコンプリートです。『入門線形代数('19)』、『数値の処理と数値解析('14)』『データの分析と知識発見('16)』と科目が多いし数学ちょっとありますが、後ろ2科目は持ちこみできるしガチ数学ではないしなんとかなるやろと高を括っております(泣きを見るぞ)。

データサイエンス(最短で来々期)

『数値の処理と数値解析('14)』『データの分析と知識発見('16)』再試『マーケティング論('17)』がそれぞれ必修科目なので、来期がんばります。

これでもまだ試験スケジュール上『データベース('17)』を受けられていないので、来年度も科目履修生で在籍が必要ですね。

 

学部で取りたい残り科目

上記スケジュール以外で残っているものは『記号論理学('14)』ですね...。

社会福祉と法('17)』、『看護管理と医療安全('18)』などと試験日程がかぶってしまいずっと取れずにいますが、1年前くらいからとりたいと思っていました。プログラミングやるにあたってちょっと理解を深めたいというのと、単純にもともと唯一掛け値なしに好きな数学系(数学か?)科目なので。どうせ来年度も半年は在籍する予定なので、履修するつもりです。

あとは『情報・メディアと法('18)』とか『メディア論('18)』も悩みどころですが今回は外しました。

 

大学院進学について

通学の看護系大学院(CNSコースとか)にしようかと思ったりはしていたのですが、一人暮らしからがらっと環境も見通しも変わってしまいました。結局、放送大学での進学がいちばん適切であろうということになりました。

コースをまたぐ研究内容なのでちょっと悩みはあったのですが、指導教員を恃みとして生活健康科学に願書を出しています。

 

院試の英語対策について

試験内容は論述メインで、辞書の持ち込み可能ながら英文の長文読解があります。が、過去問をみるに、特に難解というほどでもないです。

というわけで今期は少しだけアカデミックな英文に慣れたい気持ちがあって、4月から6月にかけてはほとんど英語と微分積分だけをやっていました。というか英語でした。

テーマ別英単語 ACADEMIC [初級]

テーマ別英単語 ACADEMIC [初級]

 
テーマ別英単語 ACADEMIC [中級] 01人文・社会科学編

テーマ別英単語 ACADEMIC [中級] 01人文・社会科学編

 

使っていたのはこれです。なんとなくやろうかなと思って、シリーズ全5冊を数年前に購入しておったのです...レベルとしてはおそらく難関私立だの国公立二次試験レベルなんですが、高校生が読むには、英文そのものよりも「内容」が結構ハードだったかなあと思います(楽しいですが)。人文・社会科学のほうになると、ラッセルとフロイトの往復書簡やらマルクスの解説やら読まされます。

このシリーズのテーマにもありますが、幅広い分野の国際的な動向を知り教養を身に着けることを目指すものなので、これといって対策という対策でもないかもしれません。自分はとにかく、あらゆる苦手意識に対して「心のハードルを下げる」を第一義としているのでその一環ともいえます。ただ、本を読むのがよほど好きな人でないとこの教材が「心のハードルを下げる」ことにつながるとは思えません。もう既にある程度すらすら読める方なら、おまけ程度に読むのはいいかもしれません。リスニングCDもついています。

ちなみに私はこの教材と英単語アプリだけをやって、TOEICで惨敗しました。

院試には語学試験の結果は必要でないので本当に景気づけ程度ではあったんですけど...英語...

 

志望理由書・研究計画書・院試

ぶっちゃけ英語なんておまけのようなものなので、願書提出時に出すタイトル通りの「志望理由書・研究計画書」のほうが200倍くらい大事だと思います。この辺りは普通の大学院と一緒ですね。

研究室を選ぶように指導教員を選択することはできません(希望はできますが)。

なので、専任教員のうち自分がやりたい研究内容の範囲をカバーしていそうな方を指名するようなかたちになります。希望した教員に指導いただけるとも限りませんし、客員教員になることもあるようです。ちなみにネット検索すると、客員教員からほとんど研究を放置されてしまったような悲惨な結果も見ました(こわい)

 

詳細を書くほどでもないのですが、自分は自然言語処理に興味があるので看護分野に対して応用がききそうな内容分析をするつもりでおります。

筆記試験が10月(これは地方ごとに1つ会場あったかな)、それをクリアすれば11月に放送大本部で面接を受けることができます。

 

院試ガイダンス

行けるものは行っておこう、ということで6月中旬くらいに行ってまいりました。事前登録が必要ですが、なしでも行けたかも知れません(資料の数とか聞きたい内容が申し込めるくらい?)

残念ながら生活健康科学の専任教員の話は聞けませんでしたが、大まかな雰囲気はつかめます。

臨床心理学プログラムだけは完全に臨床心理士取得のためのコースなので、詳しい説明があります(倍率もめちゃくちゃ高いし、学修スケジュールも超ハードです...)それでも社会人卒業生がいるのは素直にすごいなあと思いました。

ガイダンスでいわれるのは、募集要項に書いてある内容+一般的なことばかりなので、必要なければ行かなくてもいいかなという印象ではありました。

「研究計画書だいじだよ!!」はここで言われたことですが。

 

研究生活に向けて

そういうわけで、これまでもやんわりと統計科目や社会調査・心理学研究等の科目をぼちぼちとってきたのですが、本格的にやりたいことに向けて動く必要がでてきました。

こういうことはフルタイムワーク・学部科目の履修と並行して進めるのはかなり厳しい印象があります。前職を辞することで心理的な負担は相当にありましたが、労働環境がめちゃくちゃよくなったので体調を気にすることなく好きなことに励めるのはまことにありがたいことです。

 

院生生活は正直送ってみないとわからない(そしてなにより合格しないといけない)ので、確定したことがあればまとめて記事にしようと思っています。

 

では、2019年度1学期試験お疲れさまでした。2学期もよろしくお願いします。