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毒素感傷文

どうしようもなく感銘を受けてしまう日々のあれこれについて。

100冊読破 2周目(51-60)

1.知の生態学的転回2 技術:身体を取り囲む人工環境(村田純一)

 

 

知の生態学的転回2 技術: 身体を取り囲む人工環境

知の生態学的転回2 技術: 身体を取り囲む人工環境

 

結構デザイン系にはいい本かも知れないと思いました。空間デザインとかしはる人にはよい。身体概念を取り扱った1よりかなり読みやすいですが、はるかに知覚寄りの記述です

 

2.意識に直接与えられているものについての試論(アンリ・ベルクソン) 

有名なのは2巻の『物質と記憶』やその次の『笑い』のような気がしますが、1巻は地味ながらよかったです。そもそもベルクソンの位置付けがまだよくわかっていないのですが私の好きなドゥルーズメルロ=ポンティベルクソンについては必ず言及している(ドゥルーズに関してはベルクソンスピノザの研究してる)ので前提条件なのかなと思って読んだのですがまあまあふわっとしていて厄介です。数学の中でも特に数に関する論理、時間概念とかに多少詳しければ違うのかも知れない でも外的知覚に関してはまあそれでよくて内的動機については結構いまの認知心理学とかの先駆けみたいなところもあり面白いっちゃ面白いかな けどメルロ=ポンティのがとっつきやすいといえばそう

 

3.いま世界の哲学者が考えていること(岡本裕一郎) 

いま世界の哲学者が考えていること

いま世界の哲学者が考えていること

 

 

現代思想というより具象的哲学という感じ。

環境、IT、宗教、戦争(紛争)、バイオテクノロジー、資本主義についてのそれぞれの思想展開とこれからの展望をざっと追います。

宗教の項目で、ドーキンスに対してデネットで反論しているところに萌えました。読みやすくていい本だと思います。マイケル・サンデルとか好きならおすすめかも。

 

4.社会構成主義の理論と実践ー関係性が現実をつくる(K.J.ガーゲン)

社会構成主義の理論と実践―関係性が現実をつくる

社会構成主義の理論と実践―関係性が現実をつくる

  • 作者: K.J.ガーゲン,Kenneth J. Gergen,永田素彦,深尾誠
  • 出版社/メーカー: ナカニシヤ出版
  • 発売日: 2004/06
  • メディア: 単行本
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社会不適合者なので読んでみたものの社会構成主義というか社会心理学の本であり、結構広域心理学なのに行動心理というよりナラティブ寄りのやつは苦手なので終始苦手だなあと思いながら読んだ。悪くはないだろうが私には早かった(合わなかった?)

 

5.貧困の基本形態ー社会的紐帯の社会学(セルジュ・ポーガム)

 

貧困の基本形態―社会的紐帯の社会学

貧困の基本形態―社会的紐帯の社会学

 

わりと自分にとっては新しい形の公共であり都市論であるような気がします。スティグマとしての貧困ではなく社会における要素としての貧困、捉え方は悪くはないなと思いますもうちょっとコミュニティデザインのこと考えたらこの辺にいきつきそう。

 

 

6.意思決定理論入門(イツァーク・ギルボア)

 

意思決定理論入門

意思決定理論入門

 

結構数学的な本でした。マネジメントに関するもの。モンティ・ホール問題とか出てきて面白かったです。意思決定というか制度に使えばなるほど功利主義的になるのだろうと思う ロールズの述べた限界効用の逓減とか確かに理論的ではあるけどしかしこの本一歩先を行っていた 『集団内における相関関係』がそれ。理解できたとは言わんが納得はできる。ただどこまでの範囲に適応できるのかはわからんな

 

7.貧困とはなにかー概念・言説・ポリティクス(ルース・リスター)

ロールズ読むならこういう本も読みたいなあと思って読んだ 副題の概念、言説、ポリティクスっていうのが要するに全部なんだけど網羅的で読みやすいので貧困の社会学をやりたい人におすすめの一冊であると思う

ゴッフマンの『スティグマ社会学』の実践版という感じである。好きだったのはやりくりという個人的・生活的行為を、政治的・戦略的行為に転換していくという点 私が好きなのはトップダウン方式なんだけどボトムアップのエンパワメントもやる人はすごい。

こと貧困という問題において当事者をエンパワメントするのはめちゃくちゃ難しい やっていると多分すごく骨が折れるし草臥れる それでもボトムアップでの政策的アプローチが1番直接的に本人たちに利益を還元すると思う

 

8.知の生態学的転回3 倫理:人類のアフォーダンス河野哲也

これシリーズになっていて1-3まであるんだけど、身体―技術―倫理とどんどん話が広がっていく まるで内藤廣氏の『デザイン講義』シリーズ、建築―環境―形態の転回のように。後者は真ん中がいちばんしっくりきたのだけど、前者は本書である『倫理』の号が一番よかった。身体の知覚、エンカウンターとしての身体とか他者という身体のふるまいに呼応する自分の身体って考えると環境とか構造への興味はわりと不思議ではないものになる気がする けどいまだに建築あるいは環境と自分の仕事についてのあれこれは話をまとめられそうにない

 

 9.自由からの逃走(エーリッヒ・フロム)

 

自由からの逃走 新版

自由からの逃走 新版

 

 

社会心理学から出発して個人の次元に落とし込んだような言説だった 実際に古くはルターに始まり、近くはナチズムについてまで手を入れたうえで社会的な個人についてその自由の所在と倒錯の性質を分析していくような感じ。マゾヒズム-サディズムの解説が自分には結構よかった

サディズム的人間は、かれが支配していると感じている人間だけをきわめてはっきりと『愛し』ている。ーエーリッヒ・フロム『自由からの逃走』

 

10.負ける建築(隈研吾

 

負ける建築

負ける建築

 

建築史は全然詳しくないのと観念論的なのがあまり得意ではないのでしっくりはこなかった。ただこういう本をなんとなくたくさん読むことで都市論や建築デザインの変遷を知ることができるのは結構楽しい