毒素感傷文

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『偉大なるマルグリット』『或る終焉』の感想

1.偉大なるマルグリット

偉大なるマルグリット -2月27日(土)、シネスイッチ銀座、YEBISU GARDEN CINEMA ほか全国公開!-

 

ええとね、こっちはポップな広告で紛らわしためっちゃ暗い映画でございます。

私はそういう映画好きなのでよかったんですけど、映画館に足を運んだ人たちが一様に『しまった!』という顔をしてらしたのがよかったです。

 

後味が悪い映画はそこまで好きではないので、そういう意味ではしんどかったですが。

全編通してわりと救いはないです。

歌うこと、人前に出ること、嗤われること、慈善的であること。道化の悲哀と悲哀の中に潜む人々の愛と。愛を利用する人と、『作品』の完成に執着する人と。

 

この作品は、作中笑ったら笑った分だけ悲しくなれる映画です。わからんけど。

 

 

 

2.或る終焉

映画「或る終焉」公式サイト » 映画「或る終焉」

私たちの仕事が出てくる。

 

私たちは大抵人をきれいにしている汚れ仕事である。

 

体を拭く。洗う。生きていても死んだときも丁重に。それをよく映画でここまで撮ったなあと思いました。

 

ただ映画は…この映画は、一対一なんですよね。私たちは一対一だけど、どちらかといえば多数対多数やから、体はしんどいけど心はそこまでしんどくならずに済む。

 

全編通して、光の色彩が綺麗でした。そして人間の心の揺れ動きがよく出ていて、懊悩が、理不尽があってよい。

 

理不尽。現実は理屈が通用しない。時々そういうことを、この仕事をやっていないひとにも思い出して欲しいと思ったり、します。